豊田通商は、ヴェオリア・ジャパン、小島産業と共同で、リサイクル施設などから回収されたミックスプラスチックを素材ごとに選別・コンパウンド(※)し、プラスチック原料として再資源化する日本最大級のリサイクルプラスチック製造会社、プラニックを設立した。
現在、使用済プラスチックの多くがごみとして取り扱われ、環境汚染の原因として世界的な課題になっている。
国内においては、回収されたプラスチックは熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクルやプラスチック製品として再利用するマテリアルリサイクルされているものもあるが、単純焼却、埋め立て、海外への輸出などと有効利用されていないものも多くある。
またプラスチック資源循環促進のため、3R(リデュース、リユース、リサイクル)が進められているが、プラスチックからプラスチック原料に再資源化するマテリアルリサイクルの普及、強化に必要な選別技術の獲得や作業効率化などが命題となっている。
新会社のプラニックでは、自動車や家電から出る使用済プラスチックだけでなく、物流センターやショッピングセンターから梱包資材、使用済パレットやコンテナなどの製品プラスチックをマテリアルリサイクルし、再資源化する。
なお、回収されたプラスチックの選別に関しては課題もあるが、プラスチックの「Car to Car」リサイクル技術をもつGalloo Plastics社から技術供与を受け、日本初の高度比重選別技術により、高品質で価格を抑えたリサイクルプラスチックの製造。年間約4万トンの自動車・家電などから出るプラスチックの再資源化について2021年の稼働を目指す。
豊田通商、ヴェオリア・ジャパン、小島産業の3社は、石油を原料としたプラスチック製品の再資源化を促進することで、石化製品製造時のCO2排出量を削減。同事業を通じ、資源循環促進および環境負荷軽減に貢献していくとしている。
※コンパウンド:原料樹脂に顔料や添加剤、他の樹脂などを混ぜ合わせることで、品質を調整すること。
[新会社概要]
– 会社名:株式会社プラニック
– 所在地:静岡県御前崎市
– 設立:2018年12月
– 従業員数:約40名
– 事業内容:ミックスプラスチックを原料とした樹脂製造
[パートナー会社概要]
<ヴェオリア・ジャパン>
– 会社名:ヴェオリア・ジャパン株式会社
– 所在地:東京都港区海岸3-20-20
– 設立:2002年5月
– 代表者:代表取締役社長 野田 由美子
– 従業員数:3,285人(連結)
– 事業内容:水処理事業・再生可能エネルギー事業・プラスチックリサイクル事業
<小島産業>
– 会社名:小島産業株式会社
– 所在地:愛知県みよし市莇生町上永井田50番地
– 設立:1962年8月
– 代表者:取締役社長 小島 栄二
– 従業員数:107名
– 事業内容:合成樹脂、鋼板鋼材の販売・加工