豊田通商は3月19日、大型の燃料電池(FC)商用車の普及・拡大に伴う水素の需要拡大を見据え、豊通エア・リキードハイドロジェンエナジー が愛知県内で運営している既設2カ所の水素ステーションの移転・新設工事を行い、3月に営業を開始したと発表した。
近年、燃料電池バスやトラックといった大型燃料電池車(以下、大型FCV)の新たな開発が活発化してきていると云う。
このことから、豊田通商では、今後、大型車両がFCVの中心的存在になることを想定し、2015年から運営する、FC乗用車を前提に設計された「名古屋熱田水素ステーション」(名古屋市)および「豊田インターチェンジ水素ステーション」(豊田市)を移転・新設するのに伴い、十分な敷地面積を確保。
水素の輸送および貯蔵を、従来のカードル(小型の集合容器)式から大容量のトレーラー式へ切り替えて輸送・貯蔵能力の増強・効率化を図ったほか、より速やかな連続充填を可能とするため、圧縮機などの主要設備を刷新するなど、大型FCVへの水素供給体制を強化した。
また、名称をそれぞれ「熱田水素ステーション」(名古屋市)と「とよた堤水素ステーション」(みよし市)と改めた。
とよた堤水素ステーション。なお、タイトル写真は熱田水素ステーション。
なお、「熱田水素ステーション」では、イオンモール熱田(名古屋市内初のFCバス導入民間会社)のシャトルバスへの水素充填も行われる予定。また、「とよた堤ステーション」では、近隣に集積する物流会社で今後見込まれる大型FCV導入に伴う水素充填の増加に対応していくと云う。
イオンモール熱田のFCシャトルバス。
<各ステーションの概要>
■熱田水素ステーション
– 所在地:愛知県名古屋市熱田区六野1丁目201番7号
– 営業開始日:2024年3月19日
– 敷地面積:約1,307m²
– ディスペンサー:1ノズルタイプ x 2基
– 水素貯蔵:トレーラー式
– 水素供給能力:300Nm3/時以上(充填圧力:82MPa)
– 営業時間:火~土・祝日:10時~19時/日:10時~17時
– 休業日:月曜定休、年末年始
■とよた堤水素ステーション
– 所在地:愛知県みよし市打越町下鵠ノ巣70-4
– 営業開始日:2024年3月13日
– 敷地面積:約1,980m²
– ディスペンサー:1ノズルタイプ x 2基
– 水素貯蔵:トレーラー式
– 水素供給能力:300Nm3/時以上(充填圧力:82MPa)
– 営業時間:月~金・祝日:9時~19時/土・日:9時~17時
– 休業日:定休日無し(年末年始を除く)
※既設ステーションは新ステーション開所に伴い閉鎖。
豊田通商は、この取り組みを、中期経営計画で成長戦略と位置付けている7つの重点分野の内、水素・代替燃料戦略に資するものとして実施。未来の子供たちへより良い地球環境を届けるために、グループ全社を挙げて水素関連事業を推進することで、輸送・産業部門に於ける温室効果ガス排出削減に寄与し、脱炭素社会への移行に貢献していきたいとしている。
[会社概要]
– 会社名:豊通エア・リキードハイドロジェンエナジー株式会社
– 所在地:名古屋市中村区名駅4丁目9番8号
– 資本金:1,000万円
– 株主:
・豊田通商株式会社 51%
・日本エア・リキード合同会社 49%
– 設立:2013年11月28日