トヨタ バッテリー マニュファクチャリング(ノースカロライナ州)
トヨタ傘下のToyota Motor North America, Inc.(TMNA)は10月31日(米国ノースカロライナ州リバティ発)、北米の電池生産を担うToyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC/トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ/TMNA90%・豊田通商10%出資)に約80億ドルを追加投資し、約3,000人の新たな雇用を創出させると発表した。
結果、上記投資を含めたTBMNCへの累計投資額は約139億ドル、雇規模では5,000人を超える予定。また今追加投資により、バッテリーEV(BEV)用電池の生産能力を増強。これにより世界規模で、車両電動化に対するトヨタのマルチパスウェイ戦略が更に強化されることになる。
これに伴い製造量が拡大するバッテリーユニットは、Toyota Motor Manufacturing Kentucky, Inc.(TMMK/トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー)で生産する新型3列シートSUVのBEVに搭載する他、PHEV用電池の製造にも応えていく予定だ。
より具体的には、これまでに発表していた2つのBEV/PHEVバッテリー生産ラインに加えて、新たに8本の生産ラインを順次立ち上げ、BEV・PHEV用電池生産ラインを、来たる2030年までに計10ラインとすることで、年間30GWh以上の生産規模を実現させていく構えだ。
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こうした取り組みについてトヨタ・ノースカロライナ社のショーン・サッグス社長は、「今日の発表は、当該地域に雇用と将来の経済成長をもたらすことになります。
またそれは電動化と二酸化炭素削減に対するトヨタの取り組みを一層強化することになるでしょう。私たちは、この取り組みを経て、製造施設の継続的なエネルギー強化計画とサポート体制を、全米に向けてお示しできることを誇らしく思います。
2021年、トヨタは豊田通商と提携し、バッテリー生産と1,750人の新規雇用創出のために12億9000万ドルの初期投資を伴うリバティの新拠点を発表しましたが、今発表により、トヨタ・ノースカロライナは、北米に於ける自社のリチウムイオン電池生産の中心地としての地位を固めることになるからです。
その具体的規模はキャンパス全域に及ぶ総面積で 700万平方フィートとなり、これはサッカー場121面分のバッテリー生産に相当するものです」と語った。
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これを受けてノースカロライナ州知事のロイ・クーパー氏は、「最近の東京訪問や佐藤社長との会談など、ここ数年間の関係構築を通じて、トヨタとのパートナーシップはこれまで以上に強まり、今回の歴史的な発表で最高潮に達しました。
ノースカロライナ州のクリーンエネルギー経済への移行は、今後数十年にわたり私たちの家族や地域社会を支えるものとなり、将来に於いて、より高賃金の仕事を、当地にもたらすことになることへ期待を寄せています。
また今年トヨタは、セントラル・アッシュボロとグリーンズボロのボーイズ&ガールズ・クラブ、トライアドのジュニア・アチーブメント、シフトエド、トライアドのボランティア・センターに総額20万ドルの寄付を発表しました。
昨年にも同社は、ランドルフ郡およびノースカロライナ農工州立大学のコミュニティに登録しているノースカロライナ州の学生に100万ドルを投資すると発表しています。
このようにトヨタは、地元の非営利団体や教育活動を支援することで、町一番の企業になるという約束を堅持し続けています」とコメントした。
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加えてフィル・バーガー上院議員は、「トヨタのノースカロライナ州での最近の事業拡大は米国に於ける記念碑的な取り組みになるでしょう。
雇用の増加と設備投資の増加は、トライアドと農村地域がハイテク製造を支援する用意ができていることの証拠です。
私はトヨタの州に対する献身に感謝しており、トヨタが今後も成長し、熱心に当地の市民を雇用し続けて行く様子を見て、来るべき当地の将来の成長を愉しみにしています」とコメントした。
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最後にティム・ムーア下院議長は、「トヨタがここノースカロライナ州の最新の北米施設に80億ドル近くの追加投資を行うという本日の発表は、ビジネスとイノベーションに重きを置くノースカロライナ州の努力に敬意を示しつつ、未来の発展を支えてくれるものです。
またこうした投資を経てトヨタ自身が勝ち取ったこれまでの成功は、バランスの取れた行政予算の組立、強力な労働力、AAAの信用格付けを得た当地が、どのようにして成長への道を切り開くことができるかを示す好例です。同社のノースカロライナ州への追加投資は、トヨタの経営が正しい軌道に乗っていることを示す表れでもあります」と述べた。
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対して、これまで2,460万台以上のハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、バッテリー電気自動車を世界中で走行させてきたトヨタは常に、2025年までに世界中のトヨタとレクサスのすべてのモデルに電動オプションを提供する予定であることを世界に向けて示してきた。
その確かな足跡を踏まえてトヨタは、「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、世界の様々なエネルギー事情を踏まえて、〝誰ひとり取り残さない〟〝すべての人に移動の自由をお届けしたい〟と考えています。
当社はBEVやPHEVをはじめとする、マルチパスウェイを軸に、今後も多様な選択肢でCO2の着実な削減に取り組んでまいります」と結んでいる。
なお以下は、これまでにトヨタが発表した電池関連の投資となる(過去の企業リリース)
2021年10月 :米国で2030年までに車載用電池の現地生産に約34億ドル(うちTBMNCへ約12.9億ドル)を投資
2021年12月 :米国での車載用電池工場の建設地をノースカロライナ州に決定
2021年12月 :BEV戦略に関する説明会にて、2030年までに、電動車開発を含み8兆円を投資すると公表
2022年8月 :日米での車載用電池生産に最大7,300億円(うちTBMNCへ約25億ドル)を投資
2023年5月 :決算発表にて、2030年までのBEVと電池への投資額を、5兆円に拡大すると公表
2023年6月 :米国の電池工場TBMNCに、約21億ドルを追加投資
2023年10月 :LGESと、米国でBEV用電池の長期供給契約を締結