トヨタは4月25日( 米インディアナ州プリンストン発 )、自社の米生産事業体のToyota Motor Manufacturing, Indiana, Inc.( TMMI / トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インディアナ )に14億ドルを投資し、2026年から電動ユニットを搭載する3列シートの新型SUVの生産を決めた。( 坂上 賢治 )
昨年、米TMMでBEV生産を開始すると発表しているが、TMMK( Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc, / トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー )とTMMIで生産するBEVは異なるモデルであり、今発表は米国に於いてBEVを生産する2工場目の発表となる。
また〝生産販売の地で得た獲得利益は、次の分野に再投資する〟というトヨタのコミットメントに倣い、トヨタ・インディアナへの総投資額は累計80億ドルとなり、これにより、長期安定に重きを置いた新規雇用数は最大340人に昇る予定だ。
そもそもトヨタは、北米で63,000人以上の従業員を直接雇用しており、13の製造工場で約4,700万台の乗用車とトラックの設計・開発・生産・販売に打ち込んできた。
そんなトヨタは、既に65年以上もの長きに亘って、北米の人々と共に歩んできたアメリカ文化の一部であり、トヨタおよびレクサスのブランドと1,800を超える販売店を通じて積極的に、持続可能な次世代モビリティ事業の推進に取り組んできた。
ゆえに北米当地の数多ある自動車メーカーのなかでも最も多くの電動車両を走らせている。現在は27種類の電動車両を北米市場に向けて提供。今後は2025年までにノースカロライナ州から電動車両向けの純米国産バッテリーの製造を開始する。
これに伴い、トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ( TBMNC / Toyota Battery Manufacturing, North Carolina )から供給されるリチウムイオン電池を活用する新しいバッテリーパック組立ラインも139億ドルを投じて追加。来たる2025年には本格生産が開始される予定としている。
これらの計画を踏まえトヨタ・インディアナ社社長のティム・ホランダー氏は、「我々チームメンバーはトヨタの米国事業に於ける心臓部です。私たちは、業界の変化に関係なく、長期的で安定した雇用を提供しながら、高品質の製品を生産することに大きな誇りを持っています。私たちのチームは、トヨタ車を望まれるお客様が期待する品質と性能を備えた新製品を提供することに全力で取り組んでいる最中にあります」と語った。
そんなホランダー氏のコメントを受けて、トヨタ・インディアナのチームメンバーとして26 年間勤務するマイケル・ベール氏は、「トヨタのインディアナ州の施設には、トヨタ シエナ、ハイランダー、グランド ハイランダー、レクサス TX を組み立てる7,500 人以上のチームメンバーが働いています。
私達は長年に亘りトヨタで働けて幸運だと感じており、私たちが組み立てる製品を誇りに思っています。当社の長期に亘る雇用の安定と、質の高い仕事に対する評価とその取り組みにより、私達は安心感を持って仕事に取り組むことができました。その結果、スキルを向上させ、キャリアを向上させる機会を得て、当初は想像もしていなかった目標を達成することもできています」と話している。
そんなトヨタは2021年以降、電動化への取り組みを支援するため、米国の製造事業に総額186億ドルの新たな投資を実行。更に今回の米国に於けるBEV生産量の増加により、トヨタが持つポートフォリオに沿って電動化のアプローチが更に推し進められることになる。
そうしたトヨタとインディアナ州との関わり合いについてエリック・J・ホルコム知事は、「インディアナ州とトヨタは、数十年に亘りプリンストンとその周辺のインディアナ州南西部地域で、雇用の安定と経済的機会を育み、その成果として30年近いパートナーシップを共有し続けています。
そんなトヨタのインディアナ州への投資は、当初の8億ドルのコミットメントで始まりましたが、それが今や80億ドル以上の規模へと成長しました。
そして今日、トヨタから発表された新たな取り組みを伺うにつけて、遠い将来に向けて拡大し利益を積み上げていこうとする企業とは、地域ビジネスの発展へ向き合う暖かい姿勢、長期的な成功を目指していこうとする胆力、熟練した労働力を育てていくための熱心さが、いかに重要であるかを改めて身を以て示しているのだろうと思います。
インディアナ州は、トヨタと共に今後も、モビリティの未来を目指す取り組みの中心的存在であり続けること。またその役割を担うことを誇りに思っています」と述べた。