トヨタ自動車は10月2日、空のモビリティの実現に向けて電動垂直離着陸機(eVTOL/Electric Vertical Take-Off and Landing)を開発するJoby Aviation(Joby/米国カリフォルニア州サンタクルーズ)に5億ドルを追加出資することで合意した。これによりトヨタの累計投資額は、2020年1月の3億9,400万ドルと合わせ8億9,400万ドルとなった。
なお今投資は2回に分け同額で実施される見込みだ。また同投資は、普通株と引き換えに現金で行われ、第1トランシェは今年後半、第2トランシェは2025年に完了する流れとなっている。
ちなみにトヨタとしては、かつて身近な空のモビリティの実現を夢見た創業者、豊田喜一郎氏の想いを現会長の豊田章男氏が受け継ぎ、投資先のJobyと共に自社の創業以来の夢であった空のモビリティ事業に挑戦する積極姿勢を見せている。
それゆえトヨタは2019年に於ける協業開始以降、生産技術の見地から生産し易い工程の設計、治具・補助ツールの開発などの知見も共有してきた。また2023年には、Jobyに対して電動化関連部品の供給も開始した。
一方でJobyは、カリフォルニア州マリーナの生産ラインで3機目の試作機を完成させた他、生産用地の拡張にも着手。2024年8月には、航空機の型式認証プロセス5段階のうち4段階目まで進んでいる。
こうした事業の流れについて同投資案件担当でトヨタ執行役員の小川哲男氏は、「今回の追加出資により、引き続きJobyと共に、eVTOLの研究開発段階から実用化に向けて取り組んでまいります。空のモビリティは、様々な交通課題の解決に寄与する可能性を秘めており、トヨタはJobyと共に、その実現に向け一層取り組んでいく所存です」と述べた。
対してJobyの創業者兼CEOであるジョーベン・ビバート氏は、「今回の出資は、両社間の7年近くにわたる協力関係を基盤とするものです。トヨタのモノづくりで培ったノウハウや支援は、当社の取り組みの前進に大きく貢献してきました。より身近な空のモビリティの実現という共通の目標に向け、今後も連携してまいります」と話している。