東日本大震災からの復興に向け、酪農と飼料栽培を通じた循環型農業を目指す
トヨタ自動車は12月22日、大熊町( 福島県双葉郡大熊町 )、双葉町( 福島県双葉郡双葉町 )、浪江町( 福島県双葉郡浪江町 )と「カーボンニュートラルに関する連携協定」を締結した。
大熊町・双葉町・浪江町の3町は、東日本大震災などによる避難指示の一部解除を受け、震災からの復興を一段と加速するにあたり、カーボンニュートラルに向けた取り組みを強化する事により地域の持続可能性を高めたい意向を持つ。
対してトヨタは福島県で、復興への貢献を念頭に多くのパートナーと連携した取り組みを進める中で、農業分野の研究・開発で培ってきた成果の活用を通じ3町の復興とカーボンニュートラルの実現に貢献したいと考えて、同協定の締結に至ったという。
「カーボンニュートラルに関する連携協定」に於ける取り組み
なお4者は同協定の下、以下の取り組みを進めていく構えだ。
大熊町と双葉町は、震災以来活用が難しかった農地を活用し、2020年代半ば以降、作物栽培により地力の回復を図る。また農地で育てた作物を浪江町の復興牧場の牛の飼料としても活用する事により低炭素な循環型農業を目指す。
浪江町は、2025年度に運用開始予定の復興牧場で飼育する牛の糞を活用した肥料の一部を大熊町・双葉町の農地に提供する。
トヨタは、大熊町・双葉町の農地の土壌成分データの計測・分析、ドローンによる生育状況把握など、これまでの浪江町などでの研究・開発で得た知見を提供していく。
また将来的には、トヨタなど民間6社が参画し、エタノールの効率的な生産システムを研究する「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」(福島県双葉郡大熊町)との連携を目指す。
これにより大熊町・双葉町の農地で収穫した作物をバイオエタノール燃料の原料として提供するなどの検討を進めて行くとしている。
以上を踏まえて3者は、震災からの復興に向け連携を深め、低炭素な循環型農業、肥料・飼料の地産地消による輸送時CO2削減などを通じて、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進していくと結んでいる。