ガーディアン、ショーファー自動運転システムの開発の加速を目指す
トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男)は1月4日未明、傘下のToyota research Institute, Inc.(以下TRI)が来週、ラスベガスで開催されるCES2019で新型の自動運転実験車「TRI-P4」を初披露すると発表した。(坂上 賢治)
このP4は新型(第5世代)のLexus LSをベースとした車両で、TRIの2つの自動運転システムであるガーディアン(高度安全運転支援システム)とショーファー(自動運転システム)、双方の開発をこの車両で推進していくもの。
TRIで自動運転技術を担当するシニアバイスプレジデントのライアン・ユースティス氏は車両の初披露にあたって「私たちのショーファーの開発は完全な自動化、すなわち全ての、もしくは限られた運転環境においてドライバー不在での自動運転に重点を置いています。
一方でガーディアンは人間の能力を置き換えるのではなく、増大させるものです。この新しいP4実験車をこの春からテストに導入していくことで、ショーファー、ガーディアン双方の開発を更に加速させることになるでしょう」と話している。
P4実験車は、LSの新しいシャシーとステアリングの制御技術を活用することで、よりアジャイルでレスポンスが良くスムーズな自動運転を実現しているという。
P4実験車には二つのカメラを追加し、両サイドの認識性能を高めているほか、自動運転車用に設計された二つの画像センサーを前方と後方に追加した。
レーダーシステムは、車両周辺の近距離の視野を向上させるべく最適化させた。また8つのスキャニングヘッドを持つLIDARシステムは前モデルである「Platform 3.0」で使用しているものを踏襲していますが、新型LSのデザインに合わせた形状としている。
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またP4実験車は前世代のPlatform 3.0から、「賢さ」をさらに向上させたともいう。具体的には、より高い計算能力を備え、より高い機械学習能力と、早い学習能力を兼ね備えているとした。
なお全てのコンピューターはハイブリッド車の二次電池を使用し、12Vのバッテリーはバックアップとしてのみで機能する。
先代にも搭載していたトランク内にあるコンピューターボックスは、自動運転システムの頭脳として機能するもの。
今回このボックスはリアシート背後の枠に平行に取り付けられており、中身にアクセスする場合には開くようになっている。このことによって、P4はトランクスペースを全て本来の荷物用に使うことができるようになっている。
P4の外形デザインは、今回もミシガン州アナーバーのCALTY Design Researchが担当した。CALTY Design Researchのシニア・リード・デザイナーのスコット・ローラー氏は「私たちは、自動運転用のパーツを新型LSのデザインと一体化させるというアプローチでデザインに取り組みました。
その結果、SFのなかのグラフィックデザインに少しヒントを得たような、流れるような表面と、独立感あるデザインにまとまりました」とコメントしている。
見た目には未だ実験車然としたこのP4実験車だが、TMNA R&Dの試作車開発センターにおいて、この春から製作が開始される予定。完成次第、自動運転のテスト実証に投入される。
このP4実験車は、1月7日午後1時(米国太平洋時間)にトヨタのCESプレスカンファレンスで初披露される。プレスカンファレンスでは、TRIのCEOであるギル・プラット氏が、直近のガーディアンの技術的な進捗についてプレゼンテーションを行う予定となっている。