豊田自動織機は10月26日、燃料電池(FC)システムをパッケージ化し、フォークリフトや農業機械、建設機械などへの搭載が可能な、出力50kWクラスの汎用型燃料電池モジュール(FCモジュール)を新開発したと発表した。
なお開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」の下で行われているとのこと。今後は、FCモジュールのラインナップ拡充を進め、多様な用途での水素利活用促進に貢献していきたいとしている。
豊田自動織機は、脱炭素社会実現に向けた次世代エネルギーとして注目される水素の普及に向け、2016年に国内で初めて(※)FCフォークリフトを発売するなどし、その技術力を向上。
2021年には、さらなる水素利活用の促進を目的に、フォークリフト用FCシステムの発電に関わる部品をパッケージ化した8kWクラスのFCモジュールの開発を発表。
8kWクラスのモデルに於いて、エアコンプレッサーや水素循環ポンプなどの主要な構成部品を内製している強みを活かした最適設計によりコンパクト化を実現し、現在は発電機などへの適用に向けた実証実験を進めていると云う。
今回、新たに開発した50kWクラスは、8kWクラスをベースに燃料電池セルの増量などにより、出力を高めたもので、水素ステーションや配送網の整備を背景に、より出力の高い機器のFC化ニーズが高まる中、フォークリフトや農業機械、建設機械、工場用非常電源などの機器への搭載が想定されていると云う。
※豊田自動織機調べ。
[FCモジュール諸元]
<8kWクラス>
– サイズ(mm)(突起部除く):L542×W610×H440
– 質量(kg):113
– 定格出力(kW):8
– 定格電圧(V):DC48
– 定格電流(A):170
– 使用可能温度(℃):-20~40
– 短期保管温度(℃):-30~80
<50kWクラス>(新開発)
– サイズ(mm)(突起部除く):L925×W630×H837
– 質量(kg):360
– 定格出力(kW):50
– 定格電圧(V):DC300~DC400
– 定格電流(A):145
– 使用可能温度(℃):-20~40
– 短期保管温度(℃):-30~50
[FCモジュールの開発状況と用途]
<8kWクラス>
・進捗状況:実証中
・主な用途:フォークリフト/発電機。
<24kWクラス>
・進捗状況:開発中
・主な用途:フォークリフト/トーイングトラクター/発電機。
<50kWクラス>
・進捗状況:新開発
・主な用途:フォークリフト/農業機械/建設機械/発電機。
(参考)
■(豊田自動織機)豊田自動織機、汎用型の小型燃料電池モジュールを新開発 (2021年2月26日リリース)
■(豊田自動織機)「次世代のエコ・フォークリフト」で物流業界から水素社会の実現目指す (2022年9月13日発表)