豊田自動織機は11月22日、太陽光発電量と工場の電力需要量を予測し、発電した再生可能エネルギー(以下、再エネ)を有効活用するエネルギーマネジメントシステム(以下、EMS)を開発。その実証を、高浜工場の海外拠点向けパーツセンター横に設置した再エネ電力供給施設である「E PLAZA(イー・プラザ)」にて開始したと発表した。
このEMSは、同社製の定置用蓄電システム「MEGALORE(メガロア)」(※1)と「燃料電池モジュール」を搭載した燃料電池発電機(以下、FC発電機)を組み合わせたもので、工場の電力需要に応じて再エネを蓄電・供給。
太陽光発電量を気象データから、工場の電力需要量を生産計画と過去の実績から予測することで、E PLAZAの稼働計画を立案し、実際の需要量が発電量を上回る際には休日にMEGALOREへ蓄電した余剰電力を工場へ供給、また天候不順などにより発電量が不足する際には、FC発電機から工場へ供給するなど、発電量と需要量に応じて再エネの運用効率が最適になるようE PLAZAの稼働をリアルタイムで制御すると云う。
<EMSの概要>
エネルギーマネジメント例。左図:休日は、太陽光発電による余剰電力はMEGALOREへ蓄電/右図:平日の天候不順時は、蓄電していた電力を工場へ供給。必要に応じてFC発電機からも供給。
同社では、生産活動に於けるCO2排出量を2050年までにゼロとすることを目標に、設備の省エネや電動化に取り組んでおり、中でも高浜工場に於いては、他の工場に先行して2045年のCO2排出量ゼロを目指し、積極的に太陽光発電を導入することで電力消費量の50%を創エネ(※2)で賄うことを計画。今回の実証により、海外拠点向けパーツセンターに於ける創エネ率(※3)は16%から33%に向上する見込みであると云う。
豊田自動織機は、今後、太陽光発電やE PLAZAの拡張を通じて高浜工場全体の創エネ率50%達成を目指すと共に、実証を通じて抽出された課題を基に、MEGALOREや燃料電池モジュールの製品改良にも取り組んでいくとしている。また、今後も脱炭素に向けた技術の開発に取り組み、豊かな暮らしを実現する社会の構築へ貢献していきたいとしている。
※1:フォークリフト用リチウムイオン電池をリユースした定置用蓄電システム(参考リンク:フォークリフト用リチウムイオン電池をリユースした定置用蓄電システムを開発 )
※2:再エネを創り出すことによってエネルギーを自給自足すること。
※3:消費電力量のうち、創エネによる電力量が占める割合。