トヨタ紡織は3月29日、走行中の眠気を抑制するとともに、眠気推定結果や運行前後の利用データを収集・可視化するIoTシートカバーを開発し、運送事業者向けに実証実験を開始したと発表した。
IoTシートカバーは、疲労状態推定システムと眠気抑制システムを搭載したデバイスで、スマートフォンアプリと連動して使用する。疲労状態推定システムは、内蔵されたセンサーにより心拍間隔を推定し、ドライバーが座るだけで、疲労状態を推定する。眠気抑制システムは、車室内の専用のカメラを用い、ドライバーの目や頭の動きを感知し、ドライバーの眠気レベルを推定。そのレベルに合わせて、シートカバーが振動したり、音楽が流れる仕組み。スマートフォンアプリから疲労状態推定結果や眠気推定結果をクラウドへ送信し、リアルタイムに運行管理者へ通知することも可能となっている。
今回の実証実験は、あいおいニッセイ同和損害保険と共同で実施し、西濃運輸などの中長距離トラックドライバーが、同社のIoTシートカバーを利用する。ドライバーの運行前後、走行中の疲労推定結果や眠気推定結果などのデータを収集。蓄積したデータをもとにトラック運転者が眠気や疲労を生じにくい走行ルートや休憩を取るタイミングなどの改善への寄与について解析するとともに、システム全体の効果検証と改善を進めることで、ドライバーのより安全・安心な運行への貢献を目指す。