トヨタ自動車(以下「トヨタ」)は3月14日、先端技術共創機構(以下「ATAC」)と、新たな活動(活動名:Innovative Technology Acceleration platform、以下「ITAP」)を共同で始めたと発表した。
この活動は、ATACが有する大学や研究機関とのネットワークや技術インキュベーションの知見と、トヨタが持つTPSをはじめ、ものづくりで培ったナレッジやネットワークとを融合しながら、革新技術の探索~社会実装・事業化それぞれのフェーズにおいて、即断即決で支援できる機動性の高い活動を目指すもの。
支援の対象は、大学をはじめとする研究機関や技術系スタートアップ企業とし、カーボンニュートラル、マテリアル、ロボット、人間拡張、エネルギー、半導体、AI・デジタルなど、幅広く革新的な技術を探索し、社会実装・事業化の支援を進めていくとしている。
取り組みに賛同した、東京大学大学院工学系研究科、東京工業大学、名古屋大学の各大学と「技術インキュベーションにおける連携に関する基本協定書」を締結した。各大学の協定書署名者のコメントは以下のとおり。
東京大学大学院 工学系研究科・研究科長 染谷 隆夫氏
「工学部・工学系研究科は、社会課題の解決とそれを担う高度工学人材の育成に貢献するため、産業界との連携を積極的に進めています。ATACとトヨタが進めるITAPの活動には期待しており、ITAPとの連携を通じて、工学知の価値創造をさらに加速していきたいと思います。」
東京工業大学 学長 益 一哉氏
「産学がお互いの知見を活かしたインキュベーション活動を展開してくためには、具体的なケースを積み上げていく実行力が重要だと考えています。先端技術の事業化にノウハウを持つATACと幅広い領域で事業化を牽引するトヨタが、ITAPを通じて、このインキュベーション活動を積極的に推進していくことを期待しています。」
名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部・本部長 佐宗 章弘氏
「スタートアップ支援におけるアカデミアの役割は、起業家育成教育と研究シーズを活用したベンチャー創出の支援と捉えています。そうした状況において、研究のシーズ段階から「先端技術の研究支援」と「社会への実装支援」の観点でリーチし、各種サポートを行うITAPの活動には、新しい形態での産学連携として非常に期待しています。」