トヨタ自動車とあいおいニッセイ同和損害保険は、トヨタが展開するコネクティッドカーの一部(※1)を対象に、テレマティクス(※2)技術で取得した走行データに基づき、毎月の安全運転の度合いを保険料に反映し、基本保険料と運転分保険料からなるトータル保険料のうち、最大で運転分保険料の80%を割引く(※3)国内初となる「運転挙動反映型テレマティクス保険」を共同で開発した。
また、「運転特性による割引」の他、『楽しむ』『得する』『見守る』をコンセプトとした様々なサービスも提供。販売開始時期は、2018年1月15日(保険責任開始は2018年4月)を予定。
両社は、コネクティッドカー並びに車両ビッグデータを活用したテレマティクス自動車保険の開発・提供を通じ、「安全・安心なクルマ社会の実現」に貢献していきたいとコメントしている。
※1:トヨタ自動車が定める走行データが取得できるナビを搭載かつインターネットへの接続機能を有する車両
※2:「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」を組み合わせた造語。カーナビやGPS等の車載機と移動体通信システムを利用して、様々な情報やサービスを提供する仕組み
※3:保険料全体に対する割引率は、年間走行距離によって異なる。例えば年間走行距離8,000kmの場合は約9%割引となる。
●開発の背景・狙い
テレマティクス技術の進展により、自動車の走行データを活用した様々な商品やサービスの提供が可能となる等、自動車を取り巻く環境が大きく変化。海外、とりわけ欧米ではテレマティクス技術を活用し、安全運転度合いに応じた保険料割引を提供する自動車保険が普及し、日本でも、中央省庁においてテレマティクス技術を活用した自動車保険を通じての事故低減がテーマとして掲げられ、自動車メーカーやIT企業による技術開発競争が活発化してきている。
あいおいニッセイ同和損保は、トヨタのテレマティクス技術を活用した実走行距離連動型の自動車保険を2004年から発売。2015年3月には英国テレマティクス保険会社のBIG社(Box Innovation Group Limited)を買収して、そのノウハウを活用する等、テレマティクス自動車保険・サービスの研究・開発を進めてきた。
また一方、トヨタ自動車は、コネクティッド戦略の三つの柱として、「全車のコネクティッド化」「新価値創造とビジネス変革」「新たなモビリティの創出」を掲げ、データ通信に必要な車載通信機DCM(データコミュニケーションモジュール)を搭載の「コネクティッドカー」を展開。
ビッグデータを活用した「つながるサービス」を提供することで、モビリティ社会における新たな価値の創造に取り組むとともに、「交通事故死傷者ゼロ」の実現に向け、Toyota Safety SenseやICSなど先進安全技術の開発とその搭載車種の拡大、販売店とともに交通安全啓発活動を推進する「お客さまの安全・安心を徹底的にサポートするトヨタ(サポトヨ)」の取り組みをスタートしている。
この両社共同開発のテレマティクス自動車保険では、トヨタが展開する「コネクティッドカー」から取得できる様々な走行データに基づき、テレマティクス技術を活用した「運転特性による割引」や、「安全・安心のサービス」を提供、「安全・安心なクルマ社会の実現」を目指すと云う。
●新商品・サービス概要
[商品名]
・トヨタつながるクルマの保険プラン(対象:トヨタ販売店)
・G-Link連動自動車保険(対象:レクサス販売店)
[対象車両]
・トヨタ自動車のコネクティッドカーのうち、同社が定める走行データが取得できる車両(レクサス車含む)
・トヨタ車 2018年夏頃以降に発売予定の「クラウン」より順次拡大
・レクサス車 2018年1月以降販売の新車全車対象(HS・LCを除く。既販車も一部対象車あり)
[サービス提供の仕組み]
トヨタのコネクティッドカーは、クルマに関するさまざまな情報をDCMを通じてトヨタスマートセンターに自動送信する。あいおいニッセイ同和損保は、これら車両運行情報を活用することで、新しいサービスを提供する。
[サービスの特長]
これまでの自動車保険では、事故を起こした際の対応をサービスの主眼としてきたが、あいおいニッセイ同和損保では、テレマティクス技術を活用したサービスを提供することで、事故を起こさない保険契約者に対しても付加価値(予防安全)を提供していくと云う。
■安全運転を『楽しむ』
<運転の度に確認できるワンポイントアドバイス「ドライブレポート※」>
・安全運転スコア・アドバイス①②※
1回の運転ごとに、スピード・アクセル・ブレーキの各挙動の5段階評価およびその結果を総合した安全運転スコア(100点満点)を通知する。
・ドライブレポートマップ①※
各挙動に対する簡易的なアドバイスとともに走行ルートと危険な運転挙動の発生地点を確認できる『ドライブレポートマップ』を提供。運転直後に自分の運転を振り返ることで、安全運転を促進する。
・クルマからのアラート情報①②※
車の予防安全装置作動状況や、タイヤ空気圧・電子キーの電池残量などのアラート情報を通知。安全運転に向けたサポートだけでなく、車の状態を安全・安心に保つためのサポートをする。
※車種により提供情報は異る
<毎月の運転結果を振り返ることができる詳細なアドバイス「マンスリーレポート※」>
・安全運転スコア/保険料①②※
毎月の運転状況に基づくスピード・アクセル・ブレーキの各挙動の5段階評価およびその結果を総合した安全運転スコア(100点満点)を通知。安全運転スコアの点数に応じて毎月の保険料の割引率を決定する。
・安全運転アドバイス①②※
1ヵ月間の運転データから導かれた詳細アドバイスを表示。アドバイスは一人ひとりの運転特性に合わせて、個別に作成される。
※①:スマートフォンアプリ内にて提供
※②:カーナビアプリ内にて提供
■安全運転で『得する』
<「運転特性による割引」の新設>
新開発の「運転特性による割引」は、トヨタ自動車のコネクティッドカーから取得した走行データに基づき、毎月の走行距離と運転特性(速度超過・急アクセル・急ブレーキ)に応じて保険料割引※が適用される商品である。このため、ノンフリート等級や新規・継続等の契約条件による加入制限は設けられていないため、トヨタ自動車のコネクティッドカーを所有する個人ユーザーが対象となり、従来の料率制度による割引に上乗せした「運転特性による割引=安全運転によるインセンティブ」を受けることが可能。
※「運転特性による割引」は、運転分保険料の最大80%。保険料全体に対する割引率は、年間走行距離によって異なる。例えば年間走行距離8,000kmの場合は約9%割引となる。
・保険料例
10等級・事故有係数適用期間0年、26才以上補償等、年間走行距離8,000kmの契約条件での一例
■大切な人を『見守る』
<もしものときに保険契約者を支える「緊急時リアルタイムサポート」>
これまでは事故が発生の際に、保険契約者自身が、保険会社に連絡する必要があったが、この商品では、大きな衝撃を検知した場合、専用の「自動通報受信デスク」からの「安否確認コール」で、必要な諸手配を行うことで、契約者の負担を軽減する。
また、「安否確認コール」を希望しない契約者には、あいおいニッセイ同和損保から緊急時連絡先をメールで送信。直接連絡することで、緊急のレッカー手配や事故の報告受付・レンタカー手配等を行う。
<「事故対応・問合わせ窓口」の連携>
事故や問合わせなどで困った際にも、トヨタのT-Connectオペレーターサービスやレクサスのレクサスオーナーズデスクとあいおいニッセイ同和損保の専用デスクが連携し、「シームレスなサポート」を提供。
<もしものときに大切な家族に知らせる「あんしん見守りサポート」>
・家族への情報共有サービス
免許証を取得したばかりの子供や遠距離に住む両親など、大切な人の運転を心配する家族のために、『マンスリーレポート』の安全運転スコア・運転特性の評価結果・安全運転アドバイスをメールで提供。
家族間での運転状況の確認や安全運転に向けた取り組みに活用できる。また、万一事故を起こした場合も、事故の状況や負傷の有無等、事故の初期対応結果をメールで連絡する。
<走る楽しさ・喜びを体感するエンターテイメントサービス(2018年12月以降に開始予定)>
安全運転スコアによる全国ランキングや、同車種・同年代・同都道府県でのランキングについて通知。スコアやランキングに応じた目標をクリアした保険契約者に景品をプレゼントする『安全運転キャンペーン』も実施される。この商品では、走る楽しさ・喜びを体感、楽しみながら安全運転に取り組んでいくことを目指していると云う。
[販売開始時期]
2018年1月15日(保険責任開始は2018年4月)を予定。