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2017年11月8日【トピックス】

トヨタとあいおいニッセイ同和損保、国内初の運転挙動反映型自動車保険を開発

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ自動車とあいおいニッセイ同和損害保険は、トヨタが展開するコネクティッドカーの一部(※1)を対象に、テレマティクス(※2)技術で取得した走行データに基づき、毎月の安全運転の度合いを保険料に反映し、基本保険料と運転分保険料からなるトータル保険料のうち、最大で運転分保険料の80%を割引く(※3)国内初となる「運転挙動反映型テレマティクス保険」を共同で開発した。

 

また、「運転特性による割引」の他、『楽しむ』『得する』『見守る』をコンセプトとした様々なサービスも提供。販売開始時期は、2018年1月15日(保険責任開始は2018年4月)を予定。

 

両社は、コネクティッドカー並びに車両ビッグデータを活用したテレマティクス自動車保険の開発・提供を通じ、「安全・安心なクルマ社会の実現」に貢献していきたいとコメントしている。

 

※1:トヨタ自動車が定める走行データが取得できるナビを搭載かつインターネットへの接続機能を有する車両

※2:「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」を組み合わせた造語。カーナビやGPS等の車載機と移動体通信システムを利用して、様々な情報やサービスを提供する仕組み

※3:保険料全体に対する割引率は、年間走行距離によって異なる。例えば年間走行距離8,000kmの場合は約9%割引となる。

 

 

●開発の背景・狙い

 

テレマティクス技術の進展により、自動車の走行データを活用した様々な商品やサービスの提供が可能となる等、自動車を取り巻く環境が大きく変化。海外、とりわけ欧米ではテレマティクス技術を活用し、安全運転度合いに応じた保険料割引を提供する自動車保険が普及し、日本でも、中央省庁においてテレマティクス技術を活用した自動車保険を通じての事故低減がテーマとして掲げられ、自動車メーカーやIT企業による技術開発競争が活発化してきている。

 

あいおいニッセイ同和損保は、トヨタのテレマティクス技術を活用した実走行距離連動型の自動車保険を2004年から発売。2015年3月には英国テレマティクス保険会社のBIG社(Box Innovation Group Limited)を買収して、そのノウハウを活用する等、テレマティクス自動車保険・サービスの研究・開発を進めてきた。

 

また一方、トヨタ自動車は、コネクティッド戦略の三つの柱として、「全車のコネクティッド化」「新価値創造とビジネス変革」「新たなモビリティの創出」を掲げ、データ通信に必要な車載通信機DCM(データコミュニケーションモジュール)を搭載の「コネクティッドカー」を展開。

ビッグデータを活用した「つながるサービス」を提供することで、モビリティ社会における新たな価値の創造に取り組むとともに、「交通事故死傷者ゼロ」の実現に向け、Toyota Safety SenseやICSなど先進安全技術の開発とその搭載車種の拡大、販売店とともに交通安全啓発活動を推進する「お客さまの安全・安心を徹底的にサポートするトヨタ(サポトヨ)」の取り組みをスタートしている。

 

この両社共同開発のテレマティクス自動車保険では、トヨタが展開する「コネクティッドカー」から取得できる様々な走行データに基づき、テレマティクス技術を活用した「運転特性による割引」や、「安全・安心のサービス」を提供、「安全・安心なクルマ社会の実現」を目指すと云う。

 

●新商品・サービス概要

 

[商品名]

 

・トヨタつながるクルマの保険プラン(対象:トヨタ販売店)
・G-Link連動自動車保険(対象:レクサス販売店)

 

[対象車両]

 

・トヨタ自動車のコネクティッドカーのうち、同社が定める走行データが取得できる車両(レクサス車含む)
・トヨタ車 2018年夏頃以降に発売予定の「クラウン」より順次拡大
・レクサス車 2018年1月以降販売の新車全車対象(HS・LCを除く。既販車も一部対象車あり)

 

[サービス提供の仕組み]

 

トヨタのコネクティッドカーは、クルマに関するさまざまな情報をDCMを通じてトヨタスマートセンターに自動送信する。あいおいニッセイ同和損保は、これら車両運行情報を活用することで、新しいサービスを提供する。

 

[サービスの特長]

 

これまでの自動車保険では、事故を起こした際の対応をサービスの主眼としてきたが、あいおいニッセイ同和損保では、テレマティクス技術を活用したサービスを提供することで、事故を起こさない保険契約者に対しても付加価値(予防安全)を提供していくと云う。

■安全運転を『楽しむ』

 

<運転の度に確認できるワンポイントアドバイス「ドライブレポート※」>

 

・安全運転スコア・アドバイス①②※

1回の運転ごとに、スピード・アクセル・ブレーキの各挙動の5段階評価およびその結果を総合した安全運転スコア(100点満点)を通知する。

 

・ドライブレポートマップ①※

各挙動に対する簡易的なアドバイスとともに走行ルートと危険な運転挙動の発生地点を確認できる『ドライブレポートマップ』を提供。運転直後に自分の運転を振り返ることで、安全運転を促進する。

 

・クルマからのアラート情報①②※

車の予防安全装置作動状況や、タイヤ空気圧・電子キーの電池残量などのアラート情報を通知。安全運転に向けたサポートだけでなく、車の状態を安全・安心に保つためのサポートをする。

 

※車種により提供情報は異る

<毎月の運転結果を振り返ることができる詳細なアドバイス「マンスリーレポート※」>

 

・安全運転スコア/保険料①②※

毎月の運転状況に基づくスピード・アクセル・ブレーキの各挙動の5段階評価およびその結果を総合した安全運転スコア(100点満点)を通知。安全運転スコアの点数に応じて毎月の保険料の割引率を決定する。

 

・安全運転アドバイス①②※

1ヵ月間の運転データから導かれた詳細アドバイスを表示。アドバイスは一人ひとりの運転特性に合わせて、個別に作成される。

 

※①:スマートフォンアプリ内にて提供
※②:カーナビアプリ内にて提供

 

■安全運転で『得する』

 

<「運転特性による割引」の新設>

 

新開発の「運転特性による割引」は、トヨタ自動車のコネクティッドカーから取得した走行データに基づき、毎月の走行距離と運転特性(速度超過・急アクセル・急ブレーキ)に応じて保険料割引※が適用される商品である。このため、ノンフリート等級や新規・継続等の契約条件による加入制限は設けられていないため、トヨタ自動車のコネクティッドカーを所有する個人ユーザーが対象となり、従来の料率制度による割引に上乗せした「運転特性による割引=安全運転によるインセンティブ」を受けることが可能。

 

※「運転特性による割引」は、運転分保険料の最大80%。保険料全体に対する割引率は、年間走行距離によって異なる。例えば年間走行距離8,000kmの場合は約9%割引となる。

 

・保険料例
10等級・事故有係数適用期間0年、26才以上補償等、年間走行距離8,000kmの契約条件での一例

 

■大切な人を『見守る』

 

<もしものときに保険契約者を支える「緊急時リアルタイムサポート」>

 

これまでは事故が発生の際に、保険契約者自身が、保険会社に連絡する必要があったが、この商品では、大きな衝撃を検知した場合、専用の「自動通報受信デスク」からの「安否確認コール」で、必要な諸手配を行うことで、契約者の負担を軽減する。

また、「安否確認コール」を希望しない契約者には、あいおいニッセイ同和損保から緊急時連絡先をメールで送信。直接連絡することで、緊急のレッカー手配や事故の報告受付・レンタカー手配等を行う。

<「事故対応・問合わせ窓口」の連携>

 

事故や問合わせなどで困った際にも、トヨタのT-Connectオペレーターサービスやレクサスのレクサスオーナーズデスクとあいおいニッセイ同和損保の専用デスクが連携し、「シームレスなサポート」を提供。

 

<もしものときに大切な家族に知らせる「あんしん見守りサポート」>

 

・家族への情報共有サービス

免許証を取得したばかりの子供や遠距離に住む両親など、大切な人の運転を心配する家族のために、『マンスリーレポート』の安全運転スコア・運転特性の評価結果・安全運転アドバイスをメールで提供。

家族間での運転状況の確認や安全運転に向けた取り組みに活用できる。また、万一事故を起こした場合も、事故の状況や負傷の有無等、事故の初期対応結果をメールで連絡する。

<走る楽しさ・喜びを体感するエンターテイメントサービス(2018年12月以降に開始予定)>

 

安全運転スコアによる全国ランキングや、同車種・同年代・同都道府県でのランキングについて通知。スコアやランキングに応じた目標をクリアした保険契約者に景品をプレゼントする『安全運転キャンペーン』も実施される。この商品では、走る楽しさ・喜びを体感、楽しみながら安全運転に取り組んでいくことを目指していると云う。

[販売開始時期]
2018年1月15日(保険責任開始は2018年4月)を予定。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。