東芝エネルギーシステムズが富山水素エネルギー促進協議会向けに納入した地産地消型の再エネ水素ステーション「H2One ST Unit」が、富山市環境センター内で1月23日に開所し、その運転を開始した。
「H2One ST Unit」は、再生可能エネルギー(太陽光)で発電した電力により水素を製造してFCV(燃料電池自動車)へ充填できるシステム。日中の稼働でFCV約8台(東芝エネルギーシステムズが、国内の自動車平均走行距離23.2km/日から算出)の運用ができる水素製造能力を持ち、最速3分(蓄圧器が満充填の場)で満充填が可能。
施設はコンテナ1台で構成されいて補機等の別ユニットが無いため、電気および給排水のみの容易な工事で設備導入ができると云う。国内で同社製の装置が設置されるのは2例目となる。
富山水素エネルギー促進協議会では、水素インフラの導入推進に向けた環境省のモデル事業としての採択を受け、再エネ由来の水素ステーションおよび燃料電池産業車両の導入を計画。今回、大容量の水素製造ができる点を評価。3億円余のコストを投じて「H2One ST Unit」の導入に至った。
ちなみに協議会はFCVを2台保有しており、このうち1台を市に公用車として貸与したほか、協議会としても地域の環境イベント等に利用していく構え。開所式典では森雅志市長が「地域社会のエネルギー事業の形を変えていく第一歩になる」と語り、協議会の山口昌広代表理事は「富山の方々に水素のクリーンさを知って頂きたい」と結んだ。
今回稼働した「H2One ST Unit」は、CO2フリーの自立型水素エネルギー供給システム「H2One」ワンコンテナモデルと組み合わせることで、「H2Oneマルチステーション」として建物等への電力やお湯の供給、EV車への充電も可能となっている。