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2025年3月24日【イベント】

トニー・ボウ選手、Xトライアル世界選手権で19連覇を達成

坂上 賢治

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トニー・ボウ選手とMontesa COTA 4RT

 

2025 FIM(Fédération Internationale de Motocyclisme/国際モーターサイクリズム連盟)X-Trial(エックス・トライアル)世界選手権第7戦フランス カオール大会が、3月22日に開催され、Repsol Honda HRC(レプソル・ホンダ・エイチアールシー)のトニー・ボウ選手(スペイン/38歳)が、自身の記録を更新する19年連続19回目のシリーズチャンピオンを獲得した。

 

トニー・ボウ選手

 

X-Trialは人工セクションを走破する屋内競技で、2025年シーズンは全8戦で競われ、Repsol Honda HRCのボウ選手はHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で19連覇に挑んだ。

 

スペインのマドリードで開催された開幕戦では2位となったものの、フランスのシャンベリでの第2戦で今シーズンの初優勝を飾ると、フランス、クレルモン=フェランでの第3戦、スペイン、バルセロナのパラウ・サン・ジョルディでの第4戦でも優勝して3連勝した。

 

更に初開催となるノルウェーのスタヴァンゲルでの第5戦でも優勝して4連勝。加えてチームメートのガブリエル・マルセリ選手(スペイン25歳)も2位になり、チームとしては、今シーズン初のワンツーフィニッシュを達成した。続くオーストリアのウィーナー・ノイシュタットでの第6戦でもボウ選手が5連勝としたことで、チャンピオンに王手を掛けた。

 

3月22日にフランスのカオールで開催された第7戦では、ボウ選手が2位に。その結果、ライバルとのポイント差により、最終戦を前にボウ選手の19連覇が決定した。ボウ選手はX-Trialのみならず、屋外で開催されるFIMトライアル世界選手権(TrialGP)でも18連覇を達成しており、これによりトライアルの世界選手権で合わせて37連覇となった。

 

Repsol Honda HRC トニー・ボウ選手
「とても幸せです。始めからタイトル獲得が目標でした。マドリードでのシーズン開幕戦では思い通りにスタートを切れませんでしたが、何とか逆転することができました。私たちは結束力の強いチームで、ミスはなく、すべての決勝に進出してきました。

 

多くの勝利を獲得でき、自分自身もとてもいいパフォーマンスができたので、シーズンここまでの戦いとタイトル獲得には本当に満足しています。いつ最後のシーズンになるか分からないので、とても特別な勝利です。想像以上に多くのタイトルに恵まれ、とても幸せです」

 

Repsol Honda HRC監督 藤波貴久氏
「ボウ選手がまたしても新たな歴史を作ってくれ、それを一緒に経験できたことをとても誇りに思います。今日のレースでは終始リードしていましたが、アドバンテージがあったにもかかわらず、タイトル獲得へのプレッシャーがありました。最終的には2位でフィニッシュし、37回目のタイトル獲得できたことに、とても満足しています」

 

ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治氏
「トニー・ボウ選手のX-Trialでの19連覇の偉業に、心より敬意を表したいと思います。ボウ選手が目標に掲げているX-TrialとTrialGP合わせて40連覇にまた一歩近づいており、確実に勝ち星を積み重ねていく姿を目の当たりにすると、今後のさらなる記録更新が期待できそうです。

 

ボウ選手の偉業を支えてくれた藤波貴久監督、チームスタッフ全員をはじめ、レース活動をサポートいただいている多くのスポンサー様に感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして最後になりましたが、いつも熱い声援をいただいている、世界中のトライアルファンの皆様に改めてお礼申し上げます」

 

トニー・ボウ(Toni Bou)選手のプロフィール
生年月日:1986年10月17日(38歳)
出身地:スペイン

 

主な戦績:
2003年:トライアル世界選手権にデビュー
2007年:REPSOL MONTESA HRCに移籍し、初めて世界チャンピオンを獲得同年に、X-Trialのシリーズチャンピオンも初獲得
2008年~2024年:トライアル世界選手権およびX-Trialの両シリーズで各18連覇(合計36連覇)を達成
2025年:X-Trialで19連覇

 

Montesa COTA 4RTの概要
エンジン形式:水冷・4ストローク・OHC・単気筒
フレーム形式:アルミニウム製ツインチューブ
タイヤ:前:21インチ 後:18インチ

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。