2024 FIMトライアル世界選手権・第6戦フランスGPが8月25日に開催され、レプソル・ホンダ・チーム(Repsol Honda Team)のトニー・ボウ選手(スペイン37歳)が、自身の記録を更新する18年連続18回目のシリーズチャンピオンを獲得した。
2024年シーズンのトライアル世界選手権は、全7戦12レースでタイトルが争われており、今シーズンのボウ選手は、初めて開幕戦として開催されたモビリティリゾートもてぎでの日本GPで、2レースとも優勝する好調なスタートを切った。
第2戦アンドラGPでも完全優勝を飾ったが、第3戦のイタリアGPではレース1には優勝したものの、レース2は2位となり開幕からの連勝がストップした。
しかし第4戦ドイツGPでは今シーズンで3度目となる完全優勝を果たし、続く第5戦ベルギーGPでも優勝し、9レース中8レースを制し18度目のタイトルに王手を掛けて第6戦フランスGPに臨んで優勝。ランキング2位でチームメイトのカブリエル・マルセリ選手(スペイン 24歳)とのポイント差で、最終戦を待たずにチャンピオンが決定した。
ボウ選手は、2007年にHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で初の世界チャンピオンを獲得して以来連覇を重ね、人工セクションを走破する屋内競技であるXトライアル世界選手権でも17年連続でチャンピオンに輝いている。10月から再開されるXトライアルの2024年シーズンに於いても、18連覇に向け現在ポイントランキングで首位につけている。
そんなRepsol Honda Teamのトニー・ボウ選手は、「まず初めに、今シーズンも素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したいと思います。
タイトルを獲得するチャンスがあるときは、常にプレッシャーがあり、第1セクションのようにミスをすることもありますが、その後は最高の走りができ、素晴らしい勝利を得ることができました。
レースを制してタイトルを獲得できたので、なおさら素晴らしい勝利です。今シーズンはとてもいい仕事ができました。自分のキャリアのなかでも最高のシーズンのひとつで、とても幸せです」と話している。
またRepsol Honda Team監督の藤波貴久氏は、「今日は素晴らしい日で、ボウ選手の勝利とタイトルを祝福したいと思います。ボウ選手は、素晴らしい才能と最高の結果を出すためにレースにかける努力を、改めて示してくれました。
マルセリ選手のレースにも満足しています。スペイン大会でもこのレベルを維持して、ランキング2位を守ることが重要です。タイトル獲得までの道のりをサポートしてくれたHRC、すべてのスポンサー、そしてチームに感謝いたします」と語った。
更にホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長の渡辺康治氏は、「トライアル世界選手権での18連覇という快挙を達成してくれたトニー・ボウ選手の栄誉を称えたいと思います。
今シーズンは開幕戦の日本GPから勝利を重ね、他の追随を許さない力強い走りを見せてくれており、今後の記録更新も期待しています。藤波貴久監督、チームスタッフ全員、レース活動を支えてくださっている多くのスポンサー様には心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
そして最後になりましたが、いつも熱い声援をいただいている、世界中のトライアルファンの皆様に改めてお礼申し上げます」と述べた。
トニー・ボウ(Toni Bou)選手のプロフィール
生年月日: 1986年10月17日(37歳)
出身地: スペイン
主な戦績: 2003年 トライアル世界選手権にデビュー
2007年 REPSOL MONTESA HRCに移籍し、初めて世界チャンピオンを獲得
同年に、Xトライアル世界選手権のシリーズチャンピオンも初獲得
2008年~
2023年 トライアル世界選手権およびXトライアル世界選手権の
両シリーズで各17連覇(合計34連覇)を達成
2024年 トライアル世界選手権で18連覇
Montesa COTA 4RTの概要
エンジン形式: 水冷・4ストローク・OHC・単気筒
フレーム形式: アルミニウム製ツインチューブ
タイヤ: 前:21インチ 後:18インチ