NEXT MOBILITY

MENU

2024年8月26日【経済・社会】

トニー・ボウ選手、トライアル世界選手権で18連覇

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

2024 FIMトライアル世界選手権・第6戦フランスGPが8月25日に開催され、レプソル・ホンダ・チーム(Repsol Honda Team)のトニー・ボウ選手(スペイン37歳)が、自身の記録を更新する18年連続18回目のシリーズチャンピオンを獲得した。

 

2024年シーズンのトライアル世界選手権は、全7戦12レースでタイトルが争われており、今シーズンのボウ選手は、初めて開幕戦として開催されたモビリティリゾートもてぎでの日本GPで、2レースとも優勝する好調なスタートを切った。

 

第2戦アンドラGPでも完全優勝を飾ったが、第3戦のイタリアGPではレース1には優勝したものの、レース2は2位となり開幕からの連勝がストップした。

 

しかし第4戦ドイツGPでは今シーズンで3度目となる完全優勝を果たし、続く第5戦ベルギーGPでも優勝し、9レース中8レースを制し18度目のタイトルに王手を掛けて第6戦フランスGPに臨んで優勝。ランキング2位でチームメイトのカブリエル・マルセリ選手(スペイン 24歳)とのポイント差で、最終戦を待たずにチャンピオンが決定した。

 

ボウ選手は、2007年にHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で初の世界チャンピオンを獲得して以来連覇を重ね、人工セクションを走破する屋内競技であるXトライアル世界選手権でも17年連続でチャンピオンに輝いている。10月から再開されるXトライアルの2024年シーズンに於いても、18連覇に向け現在ポイントランキングで首位につけている。

 

 

そんなRepsol Honda Teamのトニー・ボウ選手は、「まず初めに、今シーズンも素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したいと思います。

 

タイトルを獲得するチャンスがあるときは、常にプレッシャーがあり、第1セクションのようにミスをすることもありますが、その後は最高の走りができ、素晴らしい勝利を得ることができました。

 

レースを制してタイトルを獲得できたので、なおさら素晴らしい勝利です。今シーズンはとてもいい仕事ができました。自分のキャリアのなかでも最高のシーズンのひとつで、とても幸せです」と話している。

 

またRepsol Honda Team監督の藤波貴久氏は、「今日は素晴らしい日で、ボウ選手の勝利とタイトルを祝福したいと思います。ボウ選手は、素晴らしい才能と最高の結果を出すためにレースにかける努力を、改めて示してくれました。

 

マルセリ選手のレースにも満足しています。スペイン大会でもこのレベルを維持して、ランキング2位を守ることが重要です。タイトル獲得までの道のりをサポートしてくれたHRC、すべてのスポンサー、そしてチームに感謝いたします」と語った。

 

更にホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長の渡辺康治氏は、「トライアル世界選手権での18連覇という快挙を達成してくれたトニー・ボウ選手の栄誉を称えたいと思います。

 

今シーズンは開幕戦の日本GPから勝利を重ね、他の追随を許さない力強い走りを見せてくれており、今後の記録更新も期待しています。藤波貴久監督、チームスタッフ全員、レース活動を支えてくださっている多くのスポンサー様には心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。

 

そして最後になりましたが、いつも熱い声援をいただいている、世界中のトライアルファンの皆様に改めてお礼申し上げます」と述べた。

 

トニー・ボウ(Toni Bou)選手のプロフィール
生年月日: 1986年10月17日(37歳)
出身地: スペイン
主な戦績: 2003年 トライアル世界選手権にデビュー
2007年 REPSOL MONTESA HRCに移籍し、初めて世界チャンピオンを獲得
同年に、Xトライアル世界選手権のシリーズチャンピオンも初獲得
2008年~
2023年 トライアル世界選手権およびXトライアル世界選手権の
両シリーズで各17連覇(合計34連覇)を達成
2024年 トライアル世界選手権で18連覇

 

Montesa COTA 4RTの概要
エンジン形式: 水冷・4ストローク・OHC・単気筒
フレーム形式: アルミニウム製ツインチューブ
タイヤ: 前:21インチ 後:18インチ

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。