東急は1月17日、東急線沿線エリアにおいて、「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」の本運用を開始すると発表した。
近年、ECの急伸とともに、物流業界全体でのドライバー不足、ドライバーの長時間労働が社会問題化しており、コロナ禍以降は、その傾向がより一層顕著となっている。また、トラックドライバーの時間外労働への上限規制が厳格化する「2024年問題」を見据え物流工程の見直しが行われる一方で、配送の担い手不足によるさらなる配送遅延や配送コスト増大も危惧されている。
今回運用を開始するプラットフォームは、東急が、物流不動産の所有・運営・開発のリーディング・グローバル企業であるプロロジス(日本本社)、(以下「プロロジス」)、および共同配送管理システムと物流サービスを提供するウィルポートと協業し、構築したもの。
サービスでは、プロロジスがラストワンマイル拠点(以下「配送拠点」)の整備・運営ノウハウを提供し、ウィルポートが「共同配送管理システム(以下「TMS」)」を開発・提供、東急が既存配送拠点および「東急ベル」の配送スタッフによる配送を提供する。本運用は2022年2月1日より。
サービスで利用するTMSは、ドライバーの空き状況確認や配車に加えて、ドライバーの技能、研修履歴、車両整備状況などを一元管理するクラウドシステムで、各ドライバーの配送状況をリアルタイムに把握し、配送技術を評価(配送品質の見える化)することで、適切かつタイムリーな配車と、配送品質の向上が可能となっている。同システムを活用し、将来的には「個宅向け配送混載モデル」によって、ラストワンマイル圏における配送効率の向上を目指す。
今後は、東急線沿線エリアでの実運用をモデルケースに、各地域の配送プロバイダと連携しサービスを全国へ拡大していく予定。3社は、協業することで、物流業界全体が抱えるドライバー不足などの課題を解決し、地域での効率的な配送網の確立を目指すとしている。