警視庁・運転免許試験場&検査会場の府中運転免許試験場、鮫洲運転免許試験場、江東運転免許試験場、滝野川庁舎、八王子分室(全5カ所)にディー・エヌ・エー傘下の日本テクトシステムズが開発した高齢者運転免許更新時等のタブレット式認知機能検査システムが「MENKYO」が導入された。
この「MENKYO」は、既に全国35都道府県の運転免許試験場や教習所などに導入。東京都では年間の認知機能検査受検者数が10万人を超えているため、「MENKYO」が導入されることにより予約待機の解消や円滑な検査運用が期待できるとしている。
そんな「MENKYO」は、主に以下の機能を備えたタブレットによる高齢運転者の認知機能検査システム。機能としては以下3つの特徴がある。
1.タブレット端末に設問を表示
2.ヘッドフォンを通じて音声検査ガイドを自動出力
3.タッチパネル上に受検者が専用ペンで自筆回答
これらの機能により、検査会場の環境に依存せずに受検者の聴覚能力に合わせた音量で検査ができるようになること、また受検者それぞれが個々のペースで進められることなどから、受検者それぞれに適した状況での検査が可能になるとした。
また検査結果の自動採点機能や採点補助機能により、結果報告書の作成が効率的にできるため、検査員の作業負担の大幅な軽減が期待できる。加えて検査後速やかに結果を受検者にフィードバックすることができることから、受検者一人当たりに要する時間が短縮されるため、認知機能検査の予約待機問題の解消にも貢献することが期待できとしている。
今日「MENKYO」の導入が加速化されている背景には現在、75歳以上の高齢運転者に対して、免許更新時もしくは一定の違反時に、認知機能検査の受検が義務付けられていることがある。
毎年全国で約200万人が対象者として運転免許センターや自動車教習所などで、紙による検査が実施されてきた。しかし紙による現行の検査は、受検者、検査者のどちらにとっても負担が多く、恒常的な待機期間の長さ、感染症の予防措置など多くの課題が存在していた。
そうしたなかで2022年5月の改正道路交通法では、検査の構成が簡素化され、更にタブレット式の採用により、検査~採点~結果通知までの大幅な時間の短縮、飛沫拡散機会の減少など多くの課題を解決すしているという( 警察庁調査研究報告書「改正道路交通法<高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し>の施行に向けた調査研究 )。