一般社団法人 日本電動モビリティ推進協会( JEMPA / Japan Electronic Mobility Promotion Association )は3月22日、先の2023年7月1日の道路交通法改正により新設された特定小型原動機付自転車(特定原付)の安全利用や普及啓発を推進するため、東京都と協定を締結した。
これにより以降は東京都と連携し啓発事業に取り組んでいくとした。また協定の締結にあたり、3月21日に都庁で協定締結式を実施した。
その協定概要は以下の通り
東京都とJEMPAは、都民が特定原付を安全に利用できるよう、連携を強化しながら普及啓発に係る事業を推進する。
– 広報物作成やイベントなど、都の安全啓発活動に対する協会の協力
– 協会の安全啓発活動にあたっての、都の提供する広報物の活用
– 都の交通安全施策に関する協会との意見交換
上記の一般社団法人日本電動モビリティ推進協会( JEMPA )とは、日本に於いて、特定小型原付を始めとする電動モビリティの開発や販売。または運用する事業者が、多様なモビリティの安心安全な普及を目指し活動を行っている協会を指す。
より具体的には昨今、現行法で想定していなかった便利な乗り物が技術の進歩によって開発され安価に普及されつつある。 そこで特定小型原付や電動モビリティを安全第一に利活用するために設立された。
これまでの活動については以下の通り
– 2020年:日本電動モビリティ推進協会を立ち上げる
– 2020年:参議院議員会館にて勉強会及び有識者との意見交換会を実施
– 2020年:多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会に出席
– 2021年:大手家電流通協会様向け電動キックボード勉強会を開催
– 2021年:新 たなモビリティ安全対策 ワーキンググループに出席
– 2022年:一般社団法人を設立
– 2022年:電動キックボード等の交通安全に関する連絡協議会に出席
– 2022年:パーソナルモビリティ安全利用官民協議会に出席
– 2023年:JEMPA 特定小型原動機付自転車の安全な利用を促進するためガイドライン策定
– 2023年:JapanMobilityShow2023で特定小型原動機付自転車の展示やルールについての啓発を実施。
より具体的な実績としては、各都道府県警察主催の安全啓発活動に協会員が参加し、電動モビリティの試乗体験提供や啓発活動への参加、また各地イベントへの登壇で電動モビリティの安全普及促進を実施、各種メディアへの正しい情報提供を通じて、利用者への情報を届けるなど、電動モビリティ全般の安全啓発、普及促進などを行ってきた。
特に、2023年7月に改正した「特定小型原動機付自転車」の新車両区分の制定には、販売事業者を代表し、販売ガイドラインの策定に意見してきたほか、保安基準等にも意見を述べるなど大きく関わってきたとしている。
2020年に開催した勉強会資料では、以下のような資料に伴い提案された
加えて協会員により、サンドボックス制度を利用した「車両区分を変化させることができるモビリティ」の認定や、新事業特例制度を利用した「公道でのヘルメット任意着用の電動キックボード実証実験」にて販売事業者としてデータ集積に協力等、電動モビリティの道交法見直しについて積極的に参加。
これまで提案してきた電動モビリティの機構による区分ではなく、速度と大きさ(質量)での区分が今回採用され、電動モビリティ用車両区分である「特定小型原動機付自転車」が新設されるなど、掲げた提言が道交法改正に繫がった。
また今後は主な活動内容として掲げている、安全啓発活動や情報発信、勉強会やリサーチでのアウトプット、電動モビリティ規格の提案を引き続き行っていくと共に、掲げている「まちづくりにおけるインフラ整備への提言」について、長期的な視点での提言も積極的に行うとしている。
特定小型原動機付自転車普及への取り組みについて
(1)電費表示の統一化への取り組み… JEMPA規格の策定
特定小型原付については、2023年の道交法改正により、以前よりも電動マイクロモビリティへの認知も上がり所有者も増えている。一方で、自動車のようにメーカーの表すスペック表示で一律に見比べるような基準がこれまで整っていない。
特定小型原動機付自転車については、型式認定に変わる新たな基準確認として今回「性能等確認制度」が制定され、保安基準については一定の基準が担保されるようになりつつあるが、一方で走行距離表示については、各社の計測方法は一律ではないため、購入者側も販売者の出す情報を正しく比較検討できていない。
そこでJEMPAでは、電費部会を設置し、これまでに何度も測定方法について実証試験を行ない、特定小型原動機付自転車の航続距離測定法として「一般社団法人日本電動モビリティ推進協会規格」(通称:JEMPA規格)を制定した。
今後は、このJEMPA規格での試験結果を走行距離として掲示することで、各社のモビリティが同様の条件の下での走行可能距離となり、購入者側は比較検討が公平でわかりやすくしていくという。
試験走行実証の様子
(2) JEMPA販売ガイドラインの策定
更にJEMPAでは、協会独自の販売ガイドラインを策定し、交通安全対策の実施に努めている。
この部分では、協会員の販売する特定小型原動機付自転車は、性能等確認制度を利用し保安基準適合性等が確認された特定小型原動機付自転車を販売するなど、消費者へ安全な乗り物を届けるようにしており、違反会員は協会退会などの厳しい決まりを設けている。
また、販売店などで使い勝手の良いように、独自に特定小型原動機付自転車の交通ルール動画を製作しYouTubeで公開、協会員の販売店などで利用できるようにしている。
特定小型原動機付自転車の安全な利用を促進するための日本電動モビリティ推進協会ガイドライン
JEMPA制作の特定小型原動機付自転車の交通ルールの動画
その他、加盟社による統計発表データは以下の通り
JEMPA加盟社による年間販売台数の統計を今後公開していく予定。
2022年度(2022年1月1日~2022年12月31日に協会員が販売した台数)
一般原付 電動キックボード 販売台数 4,250台(対象6社)
一般原付 電動バイク 販売台数 4,330台(対象3社)
2023年度(2023年1月1日~2023年12月31日に協会員が販売した台数)
一般原付 第1種 電動キックボード販売台数 2,370台(対象7社)
一般原付 第2種 電動キックボード販売台数 50台(対象1社)
一般原付 第1種 電動バイク 販売台数 1,650台(対象2社)
特定原付 キックボードタイプ 販売台数 3,010台(対象6社)
特定原付 自転車型タイプ 販売台数 120台(対象1社)
※2023年度は暫定集計値、特定原付は2023年7月1日以降の販売
JEMPA協会加盟社一覧
活動会員
– glafit株式会社
– SWALLOW合同会社
– FreeMile株式会社
– 株式会社ブレイズ
– 株式会社E-KON
– ハセガワモビリティ株式会社
– 正解株式会社
– 株式会社カスタムジャパン
– 株式会社デイトナ
– 株式会社KINTONE
– 株式会社オートバックスセブン
– 株式会社Newseed
– 豊田鉃工株式会社
– 株式会社サンオータス
賛助会員
– 株式会社アイシン
– OpenStreet株式会社
– 株式会社マクアケ
– 出光興産株式会社