東京ガスは、11月9日、欧州大手総合エネルギー企業、ドイツのアールダブルイー社(RWE)グループのトレーディング事業会社、アールダブルイー・サプライアンドトレーディング社(RWE Supply & Trading)と、「相互協力に関する協定」を締結した。
アールダブルイー社は、本国ドイツを中心にオランダ、イギリス、チェコ等で幅広く事業を展開する、欧州を代表する総合エネルギー企業。また、アールダブルイー・サプライアンドトレーディング社は、欧州、アジア、中東でLNGトレーディングへ積極的に取り組み、また、電力、石油、天候デリバティブや再生可能エネルギーを含む幅広いコモディティ取引にも携わってる。
今回、両社は、戦略的協力関係の実現を目指した協定を締結することにより、原料調達等を中心とした分野において連携強化を図る。
また、両社は、協定を通じた具体的な取り組みの第一歩として、東京ガスが米国から調達するLNGに関し、「LNGの輸送効率向上を通じたコスト削減を目指す枠組み」の実現を目指すことに合意。今後、法的拘束力を伴う契約を締結すべく、両社で協議を進めていくとしている。
東京ガスは、1969年11月4日に日本で初めてLNGを導入し、2019年、LNGは導入50周年を迎える。
同社は、今後も「GPS2020」で掲げた国内外パートナーとのグローバルアライアンスの推進を実施し、LNGバリューチェーン強化を加速するとしている。
協定の締結について、東京ガスの執行役員 原料部長の比護隆 氏は以下のように述べている。
「大西洋市場だけでなく、アジア市場も含めた幅広いLNGポートフォリオをもつアールダブルイー社との連携により、アジア、北米、欧州の価格指標を跨ぐ柔軟なLNG取引を行い、原料価格の低減と安定化を目指します。今般のような連携を通じてさらなる原料価格の低減を進め、お客さまへご提供する付加価値の拡大に努めてまいります」。
また、アールダブルイー・サプライアンドトレーディング社の最高コマーシャル責任者アンドレー・ストラック(Andree Stracke)氏は、以下のように述べている。
「本協定の締結により、アジアで最も重要なLNGプレイヤーの一社である東京ガスとの協業深化が実現し幸いです。今後LNGの需要地としての欧州が果たす役割が大きくなるなか、アールダブルイーは、東京ガスとの協業促進およびLNGトレーディングの拡充を通じ、LNG市場の拡大に伴って生じる好機を捉えてまいります」。
[アールダブルイー社の概要]
アールダブルイー社は、ドイツエッセンに本社を構え、ガス・石炭・原子力・水力・再生可能エネルギーによる発電、およびエネルギー関連のトレーディングを行う総合エネルギー企業。
2018年3月には、ドイツのエーオン社(E.ON社)との資産交換により、エーオン社およびアールダブルイー社傘下のイノジー社(Innogy社)の再生可能エネルギー関連事業がアールダブルイー社に、イノジー社の再生可能エネルギー関連事業を除く事業がエーオン社にそれぞれ継承される計画を公表した。
当該資産交換は2019年末までに完了する予定で、完了後にはアールダブルイー社は、欧州第三位の再生可能エネルギーによる発電用能力を誇る、従業員数20,000名の企業体となる。
■RWE(英語):https://www.group.rwe/en
■RWE Supply & Trading GmbH(英語):https://www.group.rwe/en/the-group/organisational-structure/rwest