東京ガスは、3月29日、ブロックチェーン技術(*1)を活用した電力および、環境価値の直接取引プラットフォーム事業等を行う、デジタルグリッドに出資したことを発表した。
同社が、「アカリオ・ベンチャーズ」の一環(*2)として、エネルギー関連のスタートアップ企業への出資は初となる。
現在の電力供給システムは、再生可能エネルギー等の普及で、従来の大規模集約型から自立分散型のシステムに変化しつつあり、将来、再生可能エネルギー発電事業者と電力消費者との間で、電力が直接取引されるようになる可能性がある。
デジタルグリッドは、2017年10月に設立されたスタートアップ企業で、環境省の実証事業、「平成30年度ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」の実施主体として、再生可能エネルギーの環境価値を、発電事業者と電力消費者で直接取引するプラットフォームを提供していくと云う。
また今後、各世帯に設置された太陽光発電の余剰電力を世帯間で直接取引するプラットフォームの提供も予定している。
東京ガスでは、グループ2018-20年度経営計画「GPS2020」において、「イノベーションの創出」を掲げ、スタートアップ企業や、エネルギー関連のベンチャーキャピタル等への投資・協業を検討。今回のデジタルグリッドへの出資を通じて、ブロックチェーン技術を活用した新たな電力事業の創出に関する知見を獲得していくとしている。
*1:IoTを含む非常に幅広い分野への応用が期待される、中央管理者を必要としない分散型のコンピューターネットワークシステムに関する技術。
構造上、従来の集中管理型のシステムに比べ「改ざんが極めて困難」かつ「実質ゼロ・ダウンタイム(システムが停止している時間がない)」なシステムを安価に構築出来る、という特性を持つと言われている。
*2:2017年12月より、スタートアップ企業やエネルギー関連ベンチャーキャピタル等への投資および協業活動について、「アカリオ・ベンチャーズ」という名称で取り組んでいる。
[デジタルグリッド株式会社の概要]
会社名称:デジタルグリッド株式会社
代表者:代表取締役会長:阿部 力也、代表取締役社長:越村 吉隆
設立日:2017年10月16日
本社所在地:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング9階
資本金:3億円(2018年4月末予定、資本準備金を含む)
主な事業内容:電力および環境価値の直接取引プラットフォーム事業
社員数:8名(2018年4月予定)
HP: http://www.digitalgrid.com/
[アカリオ・ベンチャーズの構成イメージ]