東北電力、宮城交通、EVモーターズ・ジャパン、Eneliver(エネリバー)の4社は3月22日から、宮城県内に於いて、寒冷地でのEVバス導入拡大に向けた共同実証実験を始動させる。
ちなみに今実証での最重要テーマは、寒冷地に於けるEVバス導入拡大を視野した取り組みであることだ。というのはEVバスは、従来のディーゼルバスとは異なり、二酸化炭素を排出せず、静音性に優れる一方で、日々の煩雑な充電が求められるため、効率的なエネルギーマネジメントが重要になること。そして何よりも冬期・寒冷地では暖房で電力消費が増大。航続可能距離が短くなる課題があるからだ。
そこで今実証では上記の課題解決に向け、宮城交通が導入済みのEVモーターズ・ジャパン製のEVバス2台と充電器2台を用いて、Eneliverのエネルギーマネジメントシステムと充電器とを連携。EVバスを効率的に充電する仕組みを模索していく。
また併せてEVモーターズ・ジャパンは、走行・充電データなどを収集・分析し、寒冷地に強いEVバスの開発を加速化させていく考えだ。この際、東北電力は実証の全体統括を行うと共に、エネルギーマネジメントの仕組みづくりを踏まえた最適な電気料金プランの検討していくという。
総じて参画4社は同実証を通じて、EVバスの効率的なエネルギーマネジメントの仕組みを改めて構築することを介して、寒冷地でのEVバスの導入台数を拡大。更なる快適な移動を実現させる一方で、交通環境の脱炭素化を推進していくと謳っている。
同実証にあたっての各社の役割や目的は以下の通り
<東北電力>
変化する事業環境に対応し、電気事業に加えた新たな価値の創出に取り組むと同社は、カーボンニュートラルの実現を見据えたエネルギーマネジメント技術の確立、電気の効率的な活用を目指すなかで得られた知見を新たなサービスの開発に繋げていく。
<宮城交通>
地域の暮らしを公共交通事業者として支える宮城交通は、マイカー利用に比べて公共交通の移動に伴うCO2排出を減らすエコ活動の優位性を立証し、EVバス導入により更なる環境効果を、地域の移動ニーズを持つ利用者に対して提案していきたい考えだ。
<EVモーターズ・ジャパン>
独自技術を搭載した商用EV(バス・トラック・トライク等)を核に据え、急速充電設備、蓄電池やソーラーパネル等のエネルギーマネジメントシステムまでワンストップで展開する同社は、環境エネルギー企業としてモビリティの電動化の優位性を打ち出していきたいとしている。
<Eneliver>
商業施設や宿泊施設、事務所・工場、住宅などの駐車場向けに、EV充電器や管理クラウドシステム、アプリといったトータルサービスを提供する同社は、電力に係るテクノロジーを通じて、持続可能かつ便利なエネルギー社会の実現を加速させていきたいとしている。