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積載イメージ
東武鉄道傘下の東武バス日光とヤマト運輸は、環境負荷低減の取り組み等の一環として2月20日より、栃木県の東武日光駅と中禅寺温泉バスターミナルを結ぶ路線バスで、宅急便を輸送する「客貨混載」を開始する。
この取り組みは、東武グループの「国際エコリゾート日光」の価値向上の一環として、また栃木県日光市が2024年3月に制定した「日光市地域循環によるゼロカーボンシティ実現条例」にも資するものとしての取り組む。
上記「日光市地域循環によるゼロカーボンシティ実現条例」とは、栃木県日光市の脱炭素と地域が抱える課題の双方を解決し、持続可能な地域を目指すもの。同条例では、脱炭素の推進や地域資源の有効活用を基本理念に定め、市、市民、事業者及び観光旅行者その他の滞在者が一体となってゼロカーボンシティ実現を目指すことを定めたもの。
そうしたなかでヤマト運輸は、同社営業所のある日光市街と中禅寺湖周辺等の奥日光エリアを1日に複数回往復していることから今回、配送経路とバス路線が重複する東武日光駅から中禅寺温泉バスターミナル間を客貨混載とすることで路線バスの貨物スペースを有効活用。その分、ヤマト運輸の集配車両が走行距離を削減できることで温室効果ガス排出量の削減を可能とする。
また今後は、他の時間帯や路線での事業検討も行っていくことで、環境等の社会課題、高齢化や過疎化が進む地域等に於ける課題解決、また地域活性化にも貢献していきたい考え。
この取り組みについて粉川昭一 日光市長は、「当市ではゼロカーボンシティ実現に向け、行政、民間企業、市民、滞在者が一体となった取り組みを進めています。今回の取り組みは、二酸化炭素排出量削減による環境負荷の軽減に繫がると同時に、業務用車両の減少は、いろは坂の渋滞対策にも繫がる取り組みでもあります。今後も、こうした施策を切っ掛けに企業間連携やシェアリングエコノミーの推進が全市的に広がり、ゼロカーボンシティ日光の実現に資することを期待しています」と話している。
取り組み概要図
客貨混載の取り組み概要は以下の通り
1.開始日:2025年2月20日(木)~ 通年実施
2.狙い:路線バスの貨物スペースを活用し宅急便を輸送することで、バス路線の新たな収益源として生産性向上を図る。またヤマト運輸の集配車両の走行距離削減による温室効果ガス排出量削減に貢献する取り組みを推進することで、歴史・文化・伝統・自然が共生する「国際エコリゾート日光」としての認知向上、ブランド力強化の一助としていく。
3.対象路線バス:東武バス日光路線バス(東武日光駅~中禅寺温泉~湯元温泉間)の東武日光駅 15:13 発→中禅寺温泉 15:58 着、16:03 発→湯元温泉 16:38 着の1便
4.積載区間:東武日光駅前駐車場(栃木県日光市松原町)から東武バス日光中禅寺温泉バスターミナル(栃木県日光市中宮祠)の約17.5キロメートル。
5.積載場所:バス車両貨物スペース
※バス車両の改造等は実施しない。