一般財団法人トヨタ・モビリティ基金（TMF／Toyota Mobility Foundation）は3月7日、北米最大級のイノベーション推進組織MaRS Discovery Districtと、障がいの有無に関わらず、全ての人が自由に移動できるインクルーシブな社会構築に向け、イノベーターや起業家を支援するプログラム「Mobility Unlimited Hub」をカナダで開始した。

MaRS Discovery Districtは、カナダのイノベーター、起業家等が気候、健康、経済などの分野で最も困難な問題の解決を支援する北米最大規模の都市イノベーション推進組織であり、1,200 を超えるベンチャー企業に支援を行い、カナダ及び世界各地で新しいソリューションの導入を促進している。

このMaRS Discovery DistrictとTMFの取り組みはインクルーシブな社会を目指し、多様な人材が集まるイノベーション集積地であるカナダ・トロントで、イノベーターや起業家に対し、マーケティング、資金調達や事業ネットワーク創出等のプログラムを提供する。プログラムを通じ、商用化を支援し、移動に関わるソリューションの開発と導入を加速することを目的としている。

カナダには、総人口の約21％にあたる800万人が障がいを持つと推定されており、これは 15 歳以上のカナダ人の 27%に相当する（カナダ統計2022より）。また障がいを持つカナダ人のうち72%が、国内でアクセシビリティに関わる何らかの障壁に遭遇し、30％が補装具に対し、十分にニーズが満たされていないと感じている。

このプログラムには、イノベーターや起業家の支援に必要なノウハウを持つ、多くの企業・大学機関などが関わっている。障がい者自身が主体的に関わる「Nothing about us without us」という考え方があり、こうした考え方をこの取り組みの基礎として、当事者の意見に基づきソリューションの開発支援を進めていく構えだ。

＜プログラムの参加者募集について＞
上記を踏まえTMFは、補装具、リハビリテーションなどに関わる技術やソリューションを持つイノベーター、起業家の方々の参加を募集している。 プログラムの詳細および参加申請については、http://www.mobilityunlimitedhub.org/ を参照されたい。