
「自動運転の民主化」をビジョンに掲げるティアフォー( TIER IV )は3月10日( 東京&カリフォルニア州サンタクララ発 )、End-to-End AIを活用して自動運転システム開発に取り組むPlus
( 本社:米シリコンバレー )と提携する。
今回、両社が連携を深める背景には、来たる2030年までに日本国内のトラック運転手の36%が不足するという統計予測(利村総合研究所調べ)を踏まえてのこと。そこでティアフォーでは、予てより経済産業省による令和5年度補正予算「モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援補助金」に参画して自動運転トラックの開発事業に関与。日本が主導する高速道路上での自動運転トラック(レベル4)の運行に係るAutonomy 2.0のシステム構築に取り組んできた。
そうしたなかからティアフォーは、PlusのEnd-to-End AIのアプローチ手段に着目。日本国内の自動車メーカーとの協業に於いてPlusと連携し、より効率的な貨物輸送網の実現を目指す。
より具体的には今提携を通じて大規模なEnd-to-End AIを活用した「自動運転2.0」を実現させ、多様な車種・環境下に対応可能な自動運転システムを提供することで、貨物輸送上の物流課題の解決を図りたい考えだ。そこで両社は、上記を前提に日本国内に於ける自動運転環境を整備していくべく共同開発を段階的に進める。
まずは協業の一環としてPlusとTIER IVは、Plusのエンドツーエンドの仮想ドライバーAIモデルと、TIER IVが推進する自動運転向けオープンソースソフトウェアである「Autoware(AutowareはThe Autoware Foundationの登録商標)」のプラットフォームを統合することにより、日本国内に適した自動運転技術を共同で開発。日本国内で自動運転トラックの実証環境の構築を推し進め、いずれはトラック運行以外の分野・領域にも適用可能な「自動運転2.0ソリューション」の提供を目指す。
ティアフォー代表取締役社長CEOの加藤真平氏は、「ティアフォーでは、パートナーと共創することこそが、自動運転システムを世界にもたらす最速の方法だと信じてきました。
Plusはグローバルな自動運転スタートアップとして、TRATON GROUPのスカニア、MAN and International、イヴェコグループ、ヒュンダイなど、米国や欧州の大手トラックメーカーのレベル4自動運転トラックに既に採用され、各社の自動運転システム開発を支えています。当社はそうしたPlusと共にAutonomy 2.0ベースの自動運転技術実現に向けたプロジェクトを加速させていきます」と述べた。
対してPlusでCEO・Co-Founder(共同創業者)を務めるDavid Liu氏は、「運転手不足と高齢化を抱える日本に於いて、自動運転トラックが解決策の一つになると考えています。当社のAV2.0 Generative AIベースの自動運転技術と、各国のトラックメーカーと取り組んできた自動運転トラックの導入時の専門知識を活かし、今後はティアフォーと協力して日本国内環境下での自動運転トラックの導入を加速させていきます」と結んでいる。