TIER IV(ティアフォー)は4月5日、自動運転の社会実装に取り組むパートナー企業に対して「Autoware( Autowareは、The Autoware Foundationの登録商標 )」を活用した研修・教育講座を提供し、修了認定を実施するプログラム「TIER IV Autoware Partner Program」を開設した。
修了認定を受けたパートナー企業は、ティアフォーとの共同事業の推進、またはティアフォーのプロダクトを活用した独自の事業展開を加速させることができる。
今回、ティアフォーが「TIER IV Autoware Partner Program」を開設した背景には、近年、ドライバー不足や交通事故などの社会課題の解決策として自動運転に対する期待が高まっているなかで、多くの企業が自動運転システムの開発を取り組んでいる。
そうしたなかでティアフォーは、オープンソースで誰でも活用できる「Autoware」を提供している一方で、安全な自動運転システムの開発には、車両や走行環境に適した機能の開発やシステムのカスタマイズが必要であり、これに応えられる専門知識を持つ人材が不足しているの現状を打開したいと考えたため。
当該プログラムでは、以下の研修・教育講座を通して、「Autoware」を活用したシステムの設計、実装、評価などのスキルを早期に習得することができる。
– 認識、経路生成、制御など各モジュールの開発
– 車両、センサモデルとのインタフェースの開発
– シミュレーション環境の構築
– シミュレーション環境を用いた評価
– 運行設計領域に合わせたチューニング
講座を修了したパートナー企業は、「TIER IV Autoware Partner」として認定され、認定を受けたパートナー企業は、以下のようなティアフォーが主導するプロジェクトに参画したり、ティアフォーのプロダクトを活用して新たに事業を展開する際に、ティアフォーから支援を受けることができるようになる。
– 自動車メーカーとの共同開発
– 独自仕様の車両開発
– 自治体向けの実証実験およびサービス導入
今回の取り組みに際してティアフォーの加藤真平 代表取締役社長CEO兼CTOは、「TIER IV Autoware Partner Programは、ティアフォーが掲げる自動運転の民主化のビジョンに基づくものであり、あらゆる企業や個⼈が自動運転システムの発展に貢献できるエコシステムを構築する上で欠かせないものだと信じています。これからは、パートナー企業の開発プロセスの強化を支援することで、自動運転の社会実装の促進の一層の加速化を目指します」と話している。
上記を受けた関係者コメントは以下の通り
The Autoware Foundation Board Director Yang Zhang氏
「Autoware」のエコシステムをさらに広げる上で、ティアフォーの活動は非常に重要であると考えています。「TIER IV Autoware Partner Program」を通して、世界中で「Autoware」を活用した自動運転システムの社会実装を促進できるパートナーが増えていくことを期待しています。
スマートロボティクス 取締役 営業部長 井島剛志氏
ティアフォーの「Autoware」を活用した自動運転技術は未来の自動運転に欠かせない技術だと期待しており、今回の「TIER IV Autoware Partner Program」は素晴らしい取り組みだと思います。本プログラムを通して、当社での技術者の育成と技術の向上に注力していきます。また、「Autoware」を活用するためのハードウェア開発への取り組みも促進していきます。
プロキシマテクノロジー 代表取締役 深津卓弥氏
プロキシマテクノロジーはティアフォーと提携し、適応型自動運転AIの開発を中心に自動運転に関わる様々な業務に取り組んでいます。本プログラムによる手厚いサポートは、パートナーとして非常に有益であると考えています。本プログラムによってティアフォーとの協力関係がさらに加速されることを期待しています。
富士ソフト株式会社 執行役員 ASI事業部長 五十君隼一氏
富士ソフトは、自動車の先進技術分野で幅広く貢献し、モビリティの発展を支えていくことを目指しています。ティアフォーの最先端のソリューションの普及を通して、ティアフォーと共に自動運転の社会実装の促進に取り組んでいきます。ティアフォーとの協働・協創・協栄により新たな付加価値を創出し、社会に貢献していけることを楽しみにしています。
4th.ai CEO 鈴木基之氏
4th.aiは、「すべてのモノや人がシームレスに、どこにでも行ける社会」の実現を目指しています。この構想の実現には、「Autoware」の普及と進化が不可欠となります。「TIER IV Autoware Partner Program」を通して、当社だけでなく、自動運転社会の実現を目指す企業が増えることで、「Autoware」の普及と進化を加速させることができます。これにより、完全自動運転が現実となり、「すべてのモノや人がシームレスに、どこにでも行ける社会」を到来させることができると確信しています。
株式会社日立産業制御ソリューションズ コネクティブエンジニアリング事業部 事業部長 遠藤征樹氏
日立産業制御ソリューションズは、The Autoware Foundationに加盟し、「Autoware」関連の技術の習得を進めています。当社は、CASEに対する技術開発や機能安全・セキュリティへの対応に関する知見と「Autoware」の技術を組み合わせることで、安全性の高い自動運転サービスの普及に貢献することを目指しています。「TIER IV Autoware Partner Program」の提供により、自動運転開発者は短期間でティアフォーと同等の技術を習得し、自動運転システムの開発を加速させることができると確信しています。
ティアフォーについて
ティアフォーは、「自動運転の民主化」をビジョンとし、世界初のオープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の開発を主導するディープテック企業として、自動運転システムの社会実装を推進。
「Autoware」を活用したソフトウェアプラットフォームを自社製品として提供し、これらの製品を基盤に市場の需要に対応したソリューションを展開し、「Autoware」が生み出すエコシステムを通じて、世界各地のパートナーと協力して自動運転システムの可能性の拡大と、より良い社会の実現を目指している。
会社概要
社名:株式会社ティアフォー
所在地:東京都品川区
設立年月:2015年12月
主な事業内容:
・自動運転プラットフォーム開発事業
・自動運転ウェブサービス開発事業
・自動運転システム開発キット販売事業
・自動運転技術の教育事業