まずは東京都内の限定区画でロボタクシーによるサービス実証を開始
自動運転の民主化をビジョンに掲げるティアフォー( TIER Ⅳ )は、従来のタクシー配車が困難な時間帯および経路を対象に、自動運転レベル4水準のロボットタクシーによる新たな移動サービスの提供を開始すると国内外に向けて発表した。
より具体的には、当初は従来のタクシー事業者が対応に苦戦していたエリアや時間帯を狙い、東京ベイエリアのお台場での概念実証( PoC )実験からサービスを開始。2024年11月から交通事業者と共同で事業化を目指す。
その後、段階的に区画と拠点数を拡張し、2025年には、お台場を含む東京都内の3箇所、2027年には都内全域を対象に既存の交通事業と共存可能なロボットタクシー事業を推進していく構え。
ティアフォーでは、「自動運転用オープンソースソフトウェア〝Autoware( Autowareは、The Autoware Foundationの登録商標 )〟の開発を先導し、Autowareを用いた自動運転システムの手本となる複数のリファレンスデザイン( 運行設計領域によって定義される一連のシナリオを含むユースケースによって構成される参照設計図 )を構築してきました。
これらのリファレンスデザインを種々な車両に適用することで、共通のソフトウェアプラットフォーム上で複数の運行設計領域( 自動運転システムは、運行設計領域内で動作することを前提に設計・開発される走行環境条件 )を定義することができます。
ロボットタクシーの技術検証用途としてタクシー型リファレンスデザインを適用したJPN TAXI車両は、東京都お台場や西新宿といった交通量の多い走行環境に対しても運行設計領域を定義できる水準に達しています。
また技術検証のために展開している商用アプリケーションも、ロボタクシーのリファレンス設計から継承した他のいくつかのバリエーションを活用、現段階でも全国の公共交通ネットワークに導入されて成功。自動運転による移動サービスの社会実装を推進する原動力となっています。
また、カート型リファレンスデザインを適用した専用車両が、工場内自動搬送ソリューションとして多数の工場へ導入され、無人で稼働しています」と話している。
これらの実績を踏まえティアフォーは、ロボットタクシーによる新たな移動サービスの事業化を強力に推進していくという。
なお現在、お台場の複数拠点間でサービス実証を進行中であるとしており、ティアフォーが参画する「令和6年度 臨海副都心における自動運転技術を活用したサービス構築に関するプロジェクト」の一環として、東京都が主催する国際イベント「SusHi Tech Tokyo 2024」と連携し、来場者にロボットタクシーの体験機会を提供している。
同社では、今後も同エリア区画内でサービス実証を継続し、2024年11月からの事業化を目指して交通事業者との協議を進めていく。
そうした活動の結果、将来的にはロボットタクシーの運用エリアを拡大し、従来のタクシー配車が困難な時間帯および経路を主な対象として、安全性と可用性を両立した商用サービスを計画している。
結果、最終的には先の説明の通り、来たる2025年には「お台場を含む東京都内の3箇所」、2027年には「都内全域」でのサービス提供を目指す。更にこれに合わせてロボットタクシー事業に適した新型車両の開発と製造も進めていき、順次市場に投入される( 関連記事リンク )。
会社概要
社名:株式会社ティアフォー
所在地:東京都品川区
URL:https://tier4.jp
設立年月:2015年12月
主な事業内容:
・自動運転プラットフォーム開発事業
・自動運転ウェブサービス開発事業
・自動運転システム開発キット販売事業
・自動運転技術の教育事業