ルノーと日産自動車、三菱自動車のアライアンス3社は、3月12日、アライアンスのオペレーションおよびガバナンスを監督する機関として、「アライアンス・オペレーティング・ボード(アライアンス・ボード)」を新たに設立する意向を表明した。
アライアンス・ボードは、議長をルノー会長のジャンドミニク=スナール氏が務め、日産自動車取締役社長兼CEOの西川廣人氏、ルノーCEOのティエリー=ボロレ氏、三菱自動車取締役会長CEOの益子修氏がそれに加わる形で、日産、ルノー、および三菱自動車3社の協業を推進するとともに、各社の株主および従業員の価値創造を実現するための取り組みを追求。オペレーション上の意思決定は、同ボードメンバーの合意に基づいて行われる。
なお、アライアンス・ボードに関しての正式契約は、アライアンス発足20周年記念に合わせての締結が予定されている。
アライアンス・ボードの会合は、毎月パリまたは東京で開催され、アライアンスの重要な価値創造を目的とする取り組みや成果は、ステークホルダーに対して、定期的に報告される。
また、3社は、アライアンスの価値拡大を実現する新たな手法の提案および実行を推進する為、アライアンス・ボードにおいて、具体的なテーマに沿ったプロジェクトを立ち上げるとしている。
[3社間で合意されたMOU(覚書)全文]
覚書
アライアンスの新たなスタートおよびアライアンス ボードの設立
1. ルノー、日産自動車(以下、日産という)、三菱自動車工業(以下、三菱自動車という)の各社はアライアンスの大きな成功を認識している。3社は、今後もアライアンスの継続を全面的に支持し、アライアンスの強化を願うものである。
2. アライアンス発足 20 周年を迎えるにあたり、アライアンスの「新たなスタート」をここに誓約する。
3. ルノー、日産、三菱自動車の代表者で構成されるアライアンス オペレーティング ボード(以下、アライアンス ボードという)を設立し、ルノー、日産、三菱自動車の更なる協力を推進し、担保するものとする。
4. アライアンス ボードは、RNBV および NMBV に代わり、アライアンスのオペレーションおよびガバナンスを監督する唯一の機関となる。アライアンス ボードは、アライアンスの「新たなスタート」の唯一の顔として、主たるけん引役となる。
5. アライアンス ボードは以下 4 名を中心に構成される。(アライアンス ボードの議長となる)ルノーの会長、ルノーの CEO、日産の CEO、三菱自動車の CEOアライアンス ボードによるオペレーション上の意思決定は、WIN・WIN の精神に基づき同ボードメンバーの合意により行うものとする。
6. ルノーの会長が、アライアンス ボードの議長を務めるものとする。
7. アライアンス ボードは、事実上、RNBV に代わり、RNBV が担ってきたガバナンス機能を果たすものとする。RNBV は存続し、アライアンス ボードの予備として機能するものとする。RAMA および関連するマネジメント協定および権限移譲の効力は継続するものとする。実際面では、アライアンス ボードにおける協力により、コンセンサスに至り、当事者によって実行に移されるものと考える。
8. ルノーの会長は、日産の指名のもと、臨時株主総会の承認をもって、同社の取締役に就任する予定である。ルノーの会長が、日産の取締役会副議長(代表取締役)に適した候補者であると想定される。ルノーと日産の両社は、日産の会長およびその他事項に関するガバナンス改善特別委員会による提言を待望している。
9. アライアンスの力強い歴史は、アライアンス ボードによってより一層、強化され、アライアンスの WIN-WIN の取り組みが継続し、加速化することを期待している。既存のアライアンスおよび各企業の組織の支援のもと、アライアンス ボードに直接レポートし、迅速な意思決定を図ることで、より機敏に共通の戦略的プロジェクトの実行に重点的に注力することを通じ、事業活動は向上し、加速化することを期待する。
以上