国土交通省は6月25日、令和3年4月の宅配便再配達率が約11.2%であったと発表した。
近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(EC)が急速に拡大し、宅配便の取り扱い個数が増加している一方、宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなど、重大な社会問題の一つとなっている。
国交省では、こうした問題に対応するため「総合物流施策大綱」において宅配便の再配達率の削減目標(2020年度10%程度→2025年度7.5%程度)を設定し対策に取り組んでおり、この対策の成果を継続的に把握し、施策の進捗管理を行うことを目的として、4月と10月の年2回、宅配便の再配達率のサンプル調査を実施している。
国交省によると、今回の調査結果は前年同月(約8.5%)と比べて約2.7%ポイント増となったが、これは全国一律の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言発出による外出自粛要請等の影響があった前年同月と比べ、在宅時間が減少したこと等が影響したものと考えられる。
なお、今回の調査結果は緊急事態宣言が発出されていない2020年10月(約11.4%)と比較すると約0.2%ポイント減となった。
国交省では、再配達の削減を図るため、宅配ボックスや置き配をはじめ多様な方法による受取を推進する。今後も調査を通して再配達の発生状況を継続的に把握し、民間事業者や関係省庁と連携しながら、宅配便の再配達削減に取り組んでいくとしている。
■宅配便再配達実態調査
– 調査の範囲
都市部、都市部近郊、地方
– 調査の対象
佐川急便(飛脚宅配便)、日本郵便(ゆうパック、ゆうパケット)、ヤマト運輸(宅急便)
– 調査の時期及び期間
調査時期:4月・10月(平成29年度は10月のみ)
調査期間:4月1日~4月30日・10月1日~10月31日
– 調査の方法
国土交通省が調査対象の各事業者に対し、貨物の配達総数及び再配達個数を任意の報告として求め、その結果を集計