TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は5月24日、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルの結果を発表した。
2年ぶりのWRC開催、そして今シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・ポルトガルは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が今季初優勝を飾った。
また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は総合4位、WRC自己最高位となった。
WRC次戦は、6月3日から6日にかけてイタリアのサルディニア島で開催される、第5戦「ラリー・イタリア サルディニア」。2020年10月以来の開催となるこのラリーは、ラリー・ポルトガルに続くグラベル(未舗装路)イベントとなる。
ステージは全体的にハイスピードだが道幅は狭く、道のすぐ脇まで木々が迫る。路面は目の細い砂状のグラベルに覆われているが、何台かのクルマが走行すると下から岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれるなど、路面のコンディション変化が大きい。また、気温が上昇することも多く、ドライバーとクルマにとって非常にタフなラリーとなる。
5月21日、北部の大都市ポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを中心にデイ1として行われた8本のステージでは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合5位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合6位につけた。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、エバンスに次ぐ総合4位と、4台のヤリスWRCがトップ6につけた。
翌日、デイ2では、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合3位に順位を上げた。一方、総合6位につけていたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は、技術的な問題によりデイリタイアとなった。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、デイ1と変わらず総合4位につけた。
そして最終日デイ3では、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が今季初優勝を飾った。総合3位にはセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が入り、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権で首位を堅持。今季3勝目を獲得したチームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルに対するリードをさらに拡げた。また、前日のデイリタイアから再出走を果たしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合22位で完走。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、WRC自己最高位となる総合4位でフィニッシュした。
1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
豊田 章男(チームオーナー)
エルフィン、スコット、優勝おめでとう!
前戦クロアチアでの悔しさをしっかり力に変えてポルトガルの難しい道を力強く走りきってくれました。チームにとっても貴重なポイントです。本当にありがとう!ファンの皆さまも熱い応援をありがとうございました!
貴元は自身最高位となる4位おめでとう!
私がポルトガルの途中結果を見たとき、貴元は3位のオジェに1.5秒差で迫っていました。クロアチアでステージトップをとった時、君の成長に本当に感動したけれど今回はそれ以上にとても“驚いた”。これからも、ぜひ私たちを“驚かせ”続けて欲しいと思います。
トップを争えるドライバーになると今までには経験したことのない環境に直面し悩んだり迷ったりすることがあると思う。だけど、ぜひ私と私のチームを信じて欲しい。私たちはドライバーの成長を一番に考え、それを喜びにするチームだと思っています。これからも一緒に成長していこう。
そして、ヤリマティ、こんなに離れたところで戦っているのに、君とは近くで一緒に働いている気持ちになれる。今週末、私が富士で使った“魔法の言葉”をヤリマティもさっそくポルトガルで使ってくれたみたいだね。
おはようございます!Hyvää huomenta!
今、みんなに問いかけたらヤリマティも、チームのみんなもきっと「こんばんは!」「Hyvää iltaa!」と答えるだろう。みんな今週末もハードワークをありがとう!Kiitos!
すぐにイタリアに向けた準備が始まると思うのでチームのみんなにもよろしく伝えてください。また次の戦いに向けて、みんなでがんばろう!
ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
この結果には本当に満足しています。ラリーの最初の段階では、表彰台の一番高いところでフィニッシュできるとは思えませんでした。しかし、ラリーで勝つためには最後のステージまで全てのコーナーをクリアしなければならず、最終的に我々は勝つことができたのですから、とても素晴らしい気分です。この週末、エルフィンは最も安定したドライバーでしたし、パフォーマンスも高いレベルにありました。また、チームも本当に良い仕事をしてくれて、多くのポジティブな収穫がありました。セブは3位を獲得してチャンピオンシップに多くのポイントを追加し、貴元も過去最高となる総合4位を獲得しました。カッレにとっては残念なラリーになってしまいましたが、きっと彼はモチベーションをさらに高め、強くなって戻ってくることでしょう。