TOYOTA GAZOO Racingは9月12日、FIA-F4の第4大会の第10戦で、野中誠太（TGR-DC RSトムススピリットF4）が2位表彰台を獲得したと発表した。

9月11日（土）、12日（日）の両日、宮城県のスポーツランドSUGOでFIA-F4選手権の2021年第4大会（第8戦、第9戦、第10戦）が開催された。

今季の同シリーズには、TGR-DC RS（TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール）のスカラシップドライバーとして、シリーズ参戦3年目となる野中、2020年に引き続いての清水英志郎（TGR-DC RSフィールドF4）、奥住慈英（TGR-DC RSフィールドF4）の3名に、今季より荒川麟（TGR-DC RSトムススピリットF4）を加えた4名が参戦している。野中は開幕大会の第2戦でシリーズ初勝利を挙げたあと4連勝を飾り、ランキングトップ。荒川は前大会鈴鹿の第4戦で念願の初勝利を挙げ、野中に次ぐランキング2位に浮上した。

11日（土）、前夜の雨は止んだものの、コースの一部には若干濡れた場所が残るコンディションで、午前8時半より30分間の予選が行われた。この予選セッションでのベストタイムで第8戦、セカンドベストタイムで第9戦のスターティンググリッドが決定される。

空は雲が覆い、気温20度、路面温度23度とこの季節としては低い中、ウェット宣言は出されたものの、全車スリックタイヤでコースイン。徐々にタイムを上げていき、計測4周目あたりから各車アタックに入り始めた10分過ぎに、コースオフした車両により赤旗が提示。車両排除の後に残り14分でセッションが再開されると、各車タイヤを温め直してのアタックとなった。

TGR-DC RSドライバー勢は、荒川が13周目にマークしたタイムで第8戦は2列目4番手グリッドを獲得。野中はタイムが伸びず6番手。奥住が9番手、清水が11番手。セカンドベストタイムでは荒川が5番手、野中が6番手、奥住8番手、清水9番手となった。

予選の後に行われたSUPER GTの練習走行でクラッシュが発生した影響で、第8戦の決勝レースは予定よりも20分遅れの午後12時35分に開始された。フォーメーションラップを終えて、一旦全車スターティンググリッドに着いたが、エンジンストール車両があったために仕切り直し。再度のフォーメーションラップの後、1周減算の16周でスタートが切られた。

2列目4番手スタートの荒川はポジションをキープ。6番手スタートの野中が5位へとひとつポジションを上げた。

4位の荒川はペースが上がらず、野中が荒川を攻める展開となったが、順位の変動は無いままフィニッシュ。荒川が4位、野中が5位。奥住はスタートと同じ9位、清水は11番手スタートから、終盤1台かわして10位でチェッカーを受けた。

SUPER GTの予選を終えた頃から雲が切れて晴れ間が見え始める中、午後4時25分より第9戦の決勝レース（17周）が行われた。

スタートでは5番手グリッドの荒川、6番手の野中はポジションキープ、8番手の奥住が1台かわして7位へと浮上。荒川は馬の背コーナーで前車へ仕掛けたもののブレーキをロックさせ、パスには到らず。このタイムロスで荒川に野中、奥住が連なる形となった。

奥住は2周目の1コーナーで野中をかわし6位へ。その後も奥住と野中による6位争いが続いた。

レースは7周目にコースオフ車両によりセーフティカーが出され、12周目に再開。再スタート直後、6位の奥住は前を行く荒川を攻めるも、バトルの中でブレーキをロック。逆に後続にかわされることとなってしまった。野中も前をパスしようとした13周目の1コーナーで痛恨のオーバーラン。これで野中は8位へと一旦順位を落としたが、14周目に奥住をかわし、7位へと復帰。

荒川は5位を守り切ってTGR-DC RS勢最上位の5位でフィニッシュ。野中が7位、奥住が8位。清水は9番手スタートから一時は11位までポジションを落としましたが、14周目に10位へ上がり、連続でのポイント獲得を果たした。

12日（日）は朝から快晴に恵まれた。第10戦のスターティンググリッドは、第8戦決勝レース中のベストタイムで決定され、野中が4番手、荒川が5番手、奥住8番手、清水12番手からのスタート。

午後9時に17周で争われる決勝レースのスタートが切られた。5番手スタートの荒川が若干出遅れ、6番手の車両に1コーナー進入で並ばれかけたが、逆転は許さず5位を堅守した。

3周目にスピン車両が発生し、セーフティカーが導入。車両を排除し、9周目にレースが再開されると、4位走行中の野中が前車をパスし、3位へ浮上。加えて、首位走行中の車両がジャンプスタートの裁定でペナルティを受けることとなり、野中は2位へとポジションを上げた。野中はファステストラップを更新しながらの追い上げを見せ、2秒以上あったトップとの差を1秒まで詰めたが、追い上げはそこまで。2位でチェッカー。それでも、4戦ぶりの表彰台獲得で、前戦同ポイントまで並ばれたランキングで再度単独首位に復帰した。

荒川も最後まで前車を追うも、惜しくも表彰台には届かず4位フィニッシュ。12番手からスタートした清水が10位で3連続ポイント獲得。奥住は8番手スタートからじりじりと順位を落とす形となり、12位でレースを終えた。