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2021年4月12日【イベント】

TGR、JRC第3戦でGRヤリス初のベストタイムを記録

NEXT MOBILITY編集部

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TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は4月12日、4月10日(土)〜11日(日)にかけて行われた、2021年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第3戦「ツール・ド・九州2021 in 唐津」の結果を発表した。

 

第3戦は、佐賀県・唐津市を拠点にして行われ、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介組が4位、眞貝知志/安藤裕一組が5位に入り、2台が入賞を果たした。
TOYOTA-GAZOO-Racing・ロゴ
モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、TGRは、2015年から全日本ラリー選手権に参戦している。2021年シーズンからは車両にGRヤリスをベースとする「GR YARIS GR4 Rally」を投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスへの挑戦をスタートした。

 

チームは前戦新城ラリーで発生した車両トラブルを貴重な学びの機会と捉え、原因の徹底的な解明・改善を実施。さらに、唐津に向けて足まわりに関するテストも重点的に行った。唐津において2006年から12年連続優勝という記録を持つ勝田選手は「テストではサスペンションのセットアップも行い、良い手応えを感じています」と語り、表彰台を目指して挑んだ。

 

絶好の晴天で迎えたレグ1、勝田選手がSS2でGR YARIS GR4 Rally初のベストタイムを記録。首位から1.5秒差の3番手と絶好の位置で初日を終えると、堅実に走行した眞貝選手もトラブルなく走り切り、42.8秒差の6番手。ラリー最終日も勝田選手は快走を続け、4位でフィニッシュし、眞貝選手はひとつ順位を上げた5位で完走を果たした。

 

 

勝田選手は初日、GR YARIS GR4 Rallyで初めてのSSベストタイムを記録。一時首位に立つ

 

 

また、今回より「GR Garage」のディーラーメカニックにもチームに加わり、ラリーで得た知見やモータースポーツの楽しさなどを今後の業務や顧客対応に活用する試みもスタート。今回は「GR Garage 福岡空港」から1名が参加している。

 

次戦は5月2日(日)~3日(月・祝)、愛媛県上浮穴郡久万高原町を中心に開催される全日本ラリー選手権(JRC)第4戦久万高原ラリーに出場予定だ。

 

 

作業前打合せ中のメカニック(左奥:リーダー、右奥:古田メカ)

 

 

■豊岡悟志(チーム監督)
前戦のリタイア後にエンジニアとメカニックが対策を施し、今回の唐津に臨みました。あらためて2台がしっかり走り続けてくれたことにホッとしています。勝田選手はベストタイムを記録し、眞貝選手はデータの蓄積を優先して完走を果たしてくれましたが、4人のクルーが本来持っている力にクルマのレベルは全然追い付いていません。クルーに気持ちよく戦ってもらえるクルマを目指して更に改善にチャレンジしていきます。また、今回はGR Garage 福岡空港さんから事前テストやメカニック派遣で大変お世話になりました。お客様と最前線で向き合っているGRガレージの皆様と共に、一体となって、モータースポーツの盛り上げ、人とクルマを鍛える活動にチャレンジしていきたいと思います。

 

■勝田範彦(ドライバー)
表彰台を狙っていたのですが、最終日の2ループ目は厳しかったですね。それでも、色々なデータも持ち帰ることができましたし、セッティングに関するアイデアも得られ、次につながるラリーだったと思います。コ・ドライバーの木村選手とのコンビネーションも、ラリー中に改善しながら進めることができました。次の久万高原は長いSSがあるので、タイヤマネージメントが重要です。優勝を目指して頑張ります。

 

■眞貝知志(ドライバー)
しっかりクルマが走ってくれましたし、僕自身も大きなミスをすることなく完走できました。あらためて、しっかり準備を進めてくれたチームの皆さんに感謝したいです。GR YARIS GR4 Rallyに関しては、セッティングの方向性が見えて、色々とやるべきことが分かってきました。僕自身は、最終日にリズムを崩してしまったので、次に向けて原因を分析し、これを次の久万高原につなげていきます。

 

■宮本昌司(チーフメカニック)
昨シーズンからサービスのメンバーががらりと変わりましたし、チームとして不慣れな状況が多かったため、今回はあえて作業におけるウィークポイントをあぶり出そうと考えて臨みました。初めて本格的な2台体制で整備を行うなか、様々な課題や学びを得ることができたと思います。今回、しっかり走り切れたことを踏まえて、少しでも競争力を上げられるよう、久万高原に向け新たなアイデアを入れていきたいです。

 

■土井崇司(GRプロジェクト推進部)
前回の反省を踏まえ、エンジニアサイドとして起こったことを分析し、打てる対策は入れてきましたので、今回2台とも無事に走り切れて、まずは安堵しています。そのなかで勝田選手がベストタイムを記録するなど、厳しい戦いの中で一定の競争力を示せたことは非常にうれしく感じています。私たちが目指しているのは、モータースポーツのなかでクルマを鍛え、市販車に活かすこと。今回取得できたデータを基に、もっといい車を目指し、これからも努力を続けていきます。

 

■古田 樹(トヨタカローラ福岡株式会社 GR Garage 福岡空港 GRコンサルタント)
今回、全日本ラリーの活動に参加させて頂き心より感謝申し上げます。私自身非常に多くの気づきを頂きました。特に印象的だったのは、リーダーの方が作業前にメンバーへ出す指示や情報の伝達の仕方が常に的確であり、安心して作業ができたことです。メンバーの質問に対して分かることはその場ですぐ教えてくれ、分からないことは、分かる人を探し、確認した情報を速やかに全員に共有してくれました。全員が同じ情報を持って動くことで無駄が無くお互いを信頼して働けることがよく分かり、これを自分の職場にも持ち帰りたいと思いました。そして何より今回感じた全日本ラリーの魅力と感動をお客様へも伝えていきたいと思います。ありがとうございました。

 

■井上直喜(トヨタカローラ福岡株式会社 代表取締役専務)
地元九州で開催された、全日本ラリー選手権「唐津」、GRヤリス参戦に加わることができて大変光栄です。GR Garage 福岡空港 GRコンサルタントの古田を、サービスメカニックとして参加させて頂き有難うございます。本人の成長にも繋がる貴重な経験になったと思います。私自身、かつてのラリーストとして、このご縁に心より感謝申し上げます。今後も、地元トヨタ販売店として、九州のモータースポーツ・くるまファンを盛り上げて行く活動をしていきたいと考えております。次戦以降も頑張ってください!

 

■大城明人(トヨタカローラ福岡株式会社 GR Garage 福岡空港 マネージャー)
古田をメカニックとして参加させて頂き貴重な経験をさせて頂きました。間近で見て感じたことは、チームの方々の無駄のない動きと、できることは全てやる姿勢でした。そんなスタッフがいるからこそ、ドライバー、コ・ドライバーは安心して全力で挑んでいけるのだと感じました。今回の経験を、弊社のモータースポーツ活動にも活かしていきます。そして何より、今回2台のGRヤリスが走り切ったことが嬉しかったです。SS速報を見ながら毎度ホッとしていました。次戦もぜひ頑張ってください!応援しています。

 

■ツール・ド・九州2021 in 唐津 JN1クラス最終結果
1 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビアR5) 54:12.4
2 柳澤 宏至/保井 隆宏(シュコダ・ファビアR5) +3.0
3 奴田原 文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス) +3.1
4 勝田 範彦/木村 裕介(GR YARIS GR4 Rally) +12.4
5 眞貝 知志/安藤 裕一(GR YARIS GR4 Rally) + 1:59.7
参戦10台、完走8台

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。