TOYOTA GAZOO Racingは10月18日、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・スペインの結果を発表した。
ラリー・スペインは、スペイン北東部のカタルーニャ州が戦いの舞台となる。その源流となるラリー・カタルーニャは1957年に初めて開催され、1991年よりWRCのカレンダーに加わった。スペインは、グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)の両路面でステージが行われる「ミックス・サーフェス・ラリー」として人気を博してきたが、2年ぶりの開催となる今大会は、ターマックステージのみで行われる、ピュアターマックラリーに姿を変えた。ただし、ラリーのサービスパークは以前と変わらず地中海沿岸の町サロウに置かれ、サロウの西側から東側にかけての広い範囲でSSが行われる。
ラリー・スペインのターマックステージは、全体的に路面の舗装がスムーズで、リズミカルな中速コーナーが多く、「サーキットのようなターマックコース」と形容される。数あるWRCのターマックラリーの中では、一般的な峠道のステージが最も多いラリーであり、気持ちよく攻めることができるため、選手からの人気も高い。2021年はオールターマックとなったことで、新しいステージや、久々に使われるステージも多く、レッキ(ステージの事前下見走行)で精度の高いペースノートを作りあげることが非常に重要となる。
10月15日(金)、ラリー・スペインが開幕。デイ1は、サービスパークの西北エリアで、3本のステージをサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は112.02kmで、路面は終日ドライコンディションが保たれた。
そしてデイ1では、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合5位につけた。
10月16日(土)、競技2日目デイ2は、サービスパークの東北エリアでサヴァラ、ケロル-レス・ポブレス、エル・モンメルという3本のターマックステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行。一日の最後にはサロウの海岸近くで市街地ステージを走り、7本合計117.45kmのターマック(舗装路)ステージが行われた。早朝のステージは霧が出て路面の一部は湿り気を帯びたが、全体的にはドライコンディションでの戦いとなった。
デイ2では、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合5位につけ、チームの全選手が順位を守った。
そして10月17日(日)、最終日デイ3は、サービスパークの西側エリアで、2本のステージをサービスを挟むことなく各2回走行。4本のステージの合計距離は50.90kmと、3日間で最短の1日となった。ステージの周辺は朝から雲が多くどんよりとした天気であったが、3本目のステージまではドライコンディションが保たれた。しかし、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージでは、スタート後ほどなくして雨が降り始め、路面は一部がウェットコンディションとなった。
結果、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合2位で、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合4位で、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合5位でフィニッシュ。オジエはドライバー選手権、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を守ったが、スペインでのタイトル決定には至らなかった。
■大会基本情報
開催国:スペイン
日程:10月14日(木)~10月17日(日)
サービスパーク:サロウ
路面:ターマック
SS:17 (SSトータル距離:280.46 km)
総走行距離:1,410.29 km