TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ・ガズー・レーシング/以下、TGR)は6月6日、ル・マン24時間レース(以下、ル・マン)100周年大会の“Manufacturers’ Village(マニュファクチュアラーズ・ビレッジ)”に、日本政府観光局(以下、JNTO)とマツダと共に「Japan. Endless Discovery.(ジャパン・エンドレス・ディスカバリー)」を出展。ル・マンへの感謝の意を込めたコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition 」を世界初披露した。
「Japan. Endless Discovery.」は、1991年のル・マンで日本車として初の総合優勝を果たしたマツダと、現在日本の自動車メーカーとして唯一ル・マンに参戦、5連覇中のTGRが、JNTOの呼びかけにより、共同出展したもの。
展示では、日本の自動車メーカーがル・マンをはじめとするモータースポーツシーンで育ててきた技術を振り返りながら、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向け、電動化や水素エネルギー、CN燃料の活用など、選択肢を広げる挑戦について紹介。またブース壁面には、モータースポーツ漫画「capeta(カペタ)」で人気の曽田正人(そだ まさひと)氏(*1)が手掛けた装飾を施され、日本の象徴的な文化として人気の高い“MANGA(マンガ)”を通して、日本の風景や文化、そしてマツダ、トヨタのル・マンでの歴史を伝えている。
TGRはこの展示内で、新型プリウスをベースにル・マンやACO(フランス西部自動車クラブ)への感謝を込めたコンセプトカー“Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition”を初披露。WEC参戦車両の“GR010 HYBRID”からインスパイアされた専用のホイールやエアロパーツ等の装着により、優れた走行パフォーマンスを実現するという同車両は、今後、WEC第6戦富士6時間耐久レース会場などでの展示も予定されていると云う。
<コンセプトカーの主な装備・特徴>
・専用エアロパーツによる空力改善、トラクション向上(サイドスカート、カナード、大型リヤウイング、リヤディフューザー等)。
・軽量カーボンボンネットフード。
・ワイドトレッド化した足回り、235/50R/18インチタイヤに空力向上した専用ホイール。
・マルチヘッドランプを追加し、夜間視認性を向上。
TGRでは、2012年から(※)WECやル・マンへの参戦を通じてハイブリッドシステムを鍛えてきたが、その知見は、トヨタのハイブリッド車の代名詞であるプリウスなどの市販車に活用されてきた。トヨタは、今後もモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりの取り組みを通じて、サスティナブルなモビリティ社会の実現に向けた技術開発を続けていくとしている。
*1:曽田 正人氏プロフィール:1968年6月18日生まれ。東京都文京区出身。マガジンSPECIAL誌「GET ROCK」でデビュー。代表作は、「シャカリキ!」(週刊少年チャンピオン)、「め組の大吾」(週刊少年サンデー)「昴」(週刊ビッグコミックスピリッツ)、「capeta」(月刊少年マガジン)、「Change!」(月刊少年マガジン)、「め組の大吾 救国のオレンジ」(月刊少年マガジン)(現在連載中)等。
*2:2012年当時は「トヨタ・レーシング」として参戦。
[曽田正人氏のコメント]
「物心ついた頃からレースファンの自分にとって毎年6月は特別です。これまでの名シーンを思い返し、ペンにリスペクトを込めて作画する時間は楽しいものでした。
偉大なるル・マン24時間レース100周年、日本のメーカーとして初めてル・マンで優勝されたマツダ様、ル・マンを始め様々なモータースポーツで勝利され世界に貢献されているTGR様、そして我々に感動を与えてくれるレーシングドライバーの皆様。ありがとうございます。
日本のものづくりと諦めずにチャレンジする姿勢には特に漫画家になってから大いに学ばせていただいています。
カーボンニュートラル社会の実現、未来への新たな挑戦。この過酷なレースからきっと世界が開けると信じています。今年も全力で応援いたします」。