TOYOTA GAZOO Racingは9月12日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された、SUPER GT 2021年 第5戦 SUGO「SUGO GT 300km RACE」の結果を発表した。
全8戦で争われている2021年シーズンのSUPER GTも5戦目を迎え、後半戦に。舞台となるスポーツランドSUGOは、昨シーズンは新型コロナウイルスの影響でSUPER GTは行われなかったため、2年ぶりの開催となる。昨シーズンよりSUPER GTに参戦を開始したGR SUPRAにとっては初のSUGOでの戦いでもあり、「魔物が出る」と言われる難コースSUGOでのGR SUPRAの走りに期待がかかった。
■GT500 予選/決勝
– 予選
11日(土)は曇り空。気温24度、路面温度27度という、予想よりもやや涼しいコンディションで午後2時半より、ノックアウト方式の予選が行われた。
10分間でのQ1が開始されると、GT500の予選セッションとしては通常よりもやや早めに各車コースへと向かい、充分にタイヤを暖めてアタック開始。ここでは39号車を駆る中山雄一が見事なアタックを決めトップタイムをマーク。石浦宏明のZENT CERUMO GR Supra 38号車が6番手タイムをマークし、GR SUPRA勢の中ではサクセスウェイトの軽い2台が、上位8台が進むQ2への進出を決めた。
先陣を切ってコースインし、早めにアタックした平川亮の37号車は、最後の最後にタイムを更新したライバルに押し出される形となり、0.063秒及ばず惜しくも9番手でQ2進出ならず。ランキング3位でサクセスウェイト70kgのENEOS X PRIME GR Supra 14号車は大嶋和也のアタックも届かず11番手、国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が13番手、坪井がアタックを担当した36号車はやはり64kgのサクセスウェイトに苦しみ14番手で予選を終えた。
Q2では立川祐路がアタックした38号車が7番手、コバライネンの39号車は8番手タイムで、4列目に並んで決勝レースをスタートすることとなった。
– 決勝
12日(日)は好天に恵まれ、強い日差しの下、気温29度、路面温度は46度と、前日の予選時よりも路面温度が20度も高いコンディションで、午後1時半に決勝レースのスタートが切られた。
スタートの隊列が整わなかったため、フォーメーションラップが予定よりも1周延長され、83周となった決勝がスタート。9番手スタートの37号車阪口晴南がひとつ順位を落としたものの、大きな変動が無いまま序盤は周回が重ねられていった。
GR SUPRA勢最上位の7番手からスタートを切った立川の38号車は、10周目に前車をパスして6位へポジションアップ。しかし、さらに前を攻めた38号車は、16周目の1コーナー進入でライバルに並びかけたものの、立ち上がりで接触を喫しコースオフ。11位まで大きく順位を落としてしまった。
この38号車にかわってGR SUPRA勢を引っ張る形となったのはコバライネンの39号車と阪口晴南の37号車。20周目に揃って前車をパスすると、27周目にはさらに前の車両がオーバーランを喫したことで、5位、6位へとポジションアップを果たした。
その後方では、14号車、19号車、38号車に36号車までが連なってのバトルとなったが、28周目、ストレートで14号車、19号車、36号車が3ワイドの横一線で1コーナーへと進入。この激戦を制した関口の36号車が一気に9位へと順位を上げた。
ドライバー交代の最低周回となる、首位が28周目に入るとすぐに38号車がピットインし、立川から石浦へとドライバーチェンジ。その後、続々と各車ピットへ向かう中、36号車がピットタイミングを遅らせ、35周終了でピットイン。
GT500の全車がピットを終えたところで、GR SUPRA最上位の5位を走行していた37号車の平川が、抜きつ抜かれつの激しい4位争いを繰り広げた。
前半は、大きな波乱のないレースが続いていたが、中盤に入ると、上位を争っていた車両にトラブルが発生し、また、首位の車両がピット作業違反のペナルティ。これでGR SUPRA勢にチャンスが来たかと思われたが、47周目、38号車と10位争いを繰り広げていた宮田莉朋の19号車から突然出火。宮田はコース脇に車両を停め、無事に脱出したが、19号車は戦線離脱。レースはセーフティカーが導入されることとなった。
55周目、残り29周でレースが再開されると、4位の37号車に、39号車、36号車が続いて3台のGR SUPRAによる激しい4位争いが展開。
その後方には14号車が8位、38号車が9位で続いていたが、57周目に38号車は突然ピットへと向かい、そのままガレージイン。そして14号車も63周目に突然ストレートでスローダウン。コース脇に車両を停め、こちらもレースを終えることとなってしまった。
14号車が止まったことで出されたフルコースイエローからレースが再開されると、再び37号車、39号車、36号車の3台によるバトルとなり、残り9周となった75周目、1コーナー進入時に平川の37号車と、抜こうとしてインに入った中山雄一の39号車が接触。この接触で37号車はダメージを負い、ピットへ。GR SUPRA勢はまさかの4台がレースを最後まで走り切ることなく終えることとなった。
このバトルの隙を突いた坪井の36号車が39号車をかわして4位へと浮上。サクセスウェイトの重い36号車を、軽めの39号車が追う展開となったが、36号車坪井が逃げ切り、4位でチェッカー。39号車が5位で続き、波乱のサバイバル戦でGR SUPRAは2台がトップ5フィニッシュを果たした。
■GT300 予選/決勝
今回もKeePer TOM’S GR Supra 37号車のシーズンエントリードライバーとして登録されているサッシャ・フェネストラズが入国できなかったため、代役として阪口晴南がドライブ。この阪口晴南が乗るはずだったGT300クラスのK-tunes RC F GT3 96号車は、TGR-DCドライバーの小高一斗がドライブした。
– 予選
11日(土)は曇り空。気温24度、路面温度27度という、予想よりもやや涼しいコンディションで午後2時半より、ノックアウト方式の予選が行われた。
GT300クラスは、Q1は2グループに分けて実施。それぞれの上位8台がQ2へと進出する。A組では小高がドライブした96号車がトップタイムをマーク。嵯峨宏紀のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車が6番手、第3戦優勝でランキングトップにつけ、クラス最大の100kgサクセスウェイトを積むたかのこの湯 GR Supra GT 244号車も7番手と健闘し、3台全車がQ2へ進出を決めた。
続いて行われたB組では、路面温度が上がった影響か、A組よりも全体にタイムがアップ。第2戦で優勝を果たし、69kgのサクセスウェイトを積むSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車が吉本大樹のアタックで3番手につけQ2進出。織戸学のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車、ジュリアーノ・アレジのarto RC F GT3 35号車は惜しくも9,10番手でQ2進出ならず。吉田広樹の埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車はアタック中にコースオフを喫し、最後にもう一度アタックしたがタイム更新ならず、12番手でQ1敗退となった。
Q2では1分17秒台の好タイムをマークした河野駿佑の60号車が3番手。96号車は8番手、244号車が9番手、31号車が13番手でスターティンググリッドを決定した。
– 決勝
12日(日)は好天に恵まれ、強い日差しの下、気温29度、路面温度は46度と、前日の予選時よりも路面温度が20度も高いコンディションで、午後1時半に決勝レースのスタートが切られた。
GT300クラスでは、1台にかわされたもの60号車が4位、244号車と96号車もトップ10圏内で前半戦を走行。60号車と96号車はほぼミニマムな27周目終了というタイミングでピットへ向かい、ドライバー交代を行った。
244号車はやや引っ張ったが40周目にピットイン。その直後、GT500の19号車が出火したことでセーフティカーが導入。この時点でピットに入っていなかった52号車と30号車にとっては不運なタイミングでのセーフティカーとなってしまった。
セーフティカーからのレース再開後、60号車は3位を走行していたが、63周目に周回遅れの30号車と接触を喫し、コースオフ。6位へと順位を落としまった。
その後方で、7位を走行していた244号車は、後続からの猛追を受けてのバトルを展開。
60号車は5位でチェッカー。244号車はファイナルラップに接触を喫してスローダウン。なんとかチェッカーは受けたが、フィニッシュライン直前で96号車にかわされ、96号車が8位、244号車が9位フィニッシュとなった。