TOYOTA GAZOO Racingは10月7日、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamが、2022年のFIA世界ラリー選手権(WRC)を戦う、ドライバーのラインアップを決定したと発表した。
チーム三年目のエルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジエに加え、2017〜2018年にかけてチームの一員としてWRCを戦った、エサペッカ・ラッピが復帰する。
WRCは、来シーズンより現行のWRカー(ワールドラリーカー)に替わり、ハイブリッドシステムを搭載するRally 1がトップカテゴリーラリーカーとなる。チームは現在、新しい技術規則のもと、2022年に向けて開発の重要な局面を迎えているが、ドライバーに関してはWRC優勝経験のある4人を決定。エバンスとロバンペラは全戦で新しいRally 1をドライブし、フルタイム出場を今シーズン限りで終了するオジエは、ラッピと三台目のシートをシェアする。
イギリス人のエバンスは、コ・ドライバーのスコット・マーティンと共に2020年にチームに加わり、ラリー・スウェーデンとラリー・トルコで優勝。最終戦までもつれ込んだドライバーズタイトル争いでオジエに次ぐ選手権2位を獲得するなど、チャンピオンとなる力を備えていることを証明した。今シーズンに関しては、第4戦ラリー・ポルトガルと、先週末に行なわれた第10戦ラリー・フィンランドで優勝し、あと2戦を残した状況で今年もオジエとタイトル争いを演じている。
21歳になったばかりのロバンペラと、コ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンは、2020年にチームに加入。トップカテゴリーのWRカーで臨んだ最初のシーズンだったにも関わらず、2戦目で表彰台を獲得した。そして、今シーズンは第7戦ラリー・エストニアで圧倒的な速さを示し、WRC最年少記録となる20歳で初優勝。さらに、第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャでも優勝するなど大きな注目を集めている若手フィンランド人ドライバーだ。
オジエは、ヤリスWRCで戦った初年度の2020年に、通算7回目のドライバーズイトルを獲得。37歳のベテランフランス人は今シーズン、ラリー・モンテカルロ、クロアチア・ラリー、ラリー・イタリア・サルディニア、サファリ・ラリー・ケニアと4勝しており、2位のエバンスに24ポイント差を築きドライバー選手権をリードしている。その実力は依然WRC最高レベルにあるが、2022年はラリー以外の活動にも時間を割きたいと考えているため、WRCフル参戦は今年が最後となる。また、長年オジエとコンビを組み、コ・ドライバーとして世界タイトルを獲得してきたジュリアン・イングラシアは、今年いっぱいでキャリアに幕を下ろすことになった。後任には、すでに数年間にわたってテストや、ターマックラリーにおけるグラベルクルーとしてオジエと緊密に仕事をしてきた、ベンジャミン・ヴェイラが就任することになる。なお、オジエが来シーズン出場するイベントは、後日決定する。
ラッピは、チーム参戦初年度の2017年にドライバーのひとりとして加わり、WRカーによる出場4戦目だった母国のラリー・フィンランドでヤリスWRCを駆り、記念すべきWRC初優勝を飾った。また、2018年は表彰台に3回立ち、チームのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献した後、別のチームに移籍した。しかし、先週のラリー・フィンランドでは、コ・ドライバーのヤンネ・フェルムとともに、プライベーターとして久々にヤリスWRCのステアリングを握り、総合4位という好成績を残している。
以上のように、2022年は今年と変わらぬ3人のドライバーに、チーム創成期のメンバーだったラッピを加え、全員がWRC優勝経験者という強力な布陣で新時代のWRCに挑むとしている。
■TOYOTA GAZOO Racing WRC 2022 ドライバー/コ・ドライバー
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン
カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン
セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ
エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム