帝人グループでアラミド繊維事業を展開するオランダのテイジン・アラミドは、ウェアラブルデバイスの研究開発・デザインを手掛ける同国のスタートアップ企業、エリタック(Elitac)社の新規発行株式25,000株を、11月29日付で取得した。
これにより同社は、エリタックの発行済み株式の20%を保有。帝人グループから1名がエリタックの取締役に就任した。
帝人グループは、重点領域の1つとして「安心・安全・防災ソリューション」を掲げ、災害対策・社会インフラ整備等の用途に向けた事業を通じて安全性の向上を実現するトータル・セーフティ・ソリューション・プロバイダーを目指している。
一方、エリタック社は、消防士、警察官、救急隊員など向けに、視覚が遮られても、触覚から脳に伝わる情報を活用できるウェアラブルナビゲーションシステムを開発。テイジン・アラミドは、2017年にエリタックと折半出資による合弁会社のセンタス(Sentaz)社をオランダに設立した。
センタス社では、緊急車両向けに、シート座面に搭載された振動モーターから発せられる振動により、ドライバーに進行方向を誘導するナビゲーションシステムを実用化、オランダ国内の一部の消防隊で採用が進んでいる。
帝人グループは、エリタック社との取り組みを通じて、同社の豊富な発想力や技術開発力、ユーザーの声を反映した製品化能力などを高く評価、今回の株式取得を決定。
今後、エリタックがこれまで開発してきたウェアラブル技術を駆使し、素材サプライヤーとしての知見を活かして、ファーストレスポンダーへの対応力を一層強化し、トータル・セーフティ・ソリューション・プロバイダーとしての地位を確立していきたいとしている。
■エリタック(Elitac B.V./英語):http://www.elitac.nl/
■センタス(Sentaz B.V.):https://sentaz.com/ja/tactile-car-seat-3/