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2024年8月20日【イベント】

チーム三菱ラリーアート、AXCR2024で総合5位

坂上 賢治

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三菱自動車工業が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」は、先の8月11日~17日にタイで開催されたアジアクロスカントリーラリー2024(AXCR2024)にトライトン(T1仕様=改造クロスカントリー車両)」で参戦。

 

総走行距離2075.54kmのうち競技区間939.58kmを走破した田口勝彦選手が15時間34分52秒で総合5位に入賞した。また今回初出場した小出一登選手は総合24位、サクチャイ・ハーントラクーン選手は総合27位、チャヤポン・ヨーター選手はレグ5で総合1位からリタイヤし総合42位となった。

 

 

今年のAXCRは11日、タイ・スラタニエリアのランドマークである時計塔広場でセレモニアルスタートを実施。翌12日のレグ1から本格的なラリーがスタートし、レグ2はスラタニからホアヒンまで期間中の最長距離である550km超を走破。レグ3はホアヒン周辺で競技区間(スペシャルステージ=SS)を競った。

 

翌日レグ4でカンチャナブリへ移動し、山間部を抜ける起伏のあるコースを走行。厳しい岩場を超えていく山越えルートに多くのチームが苦戦し、10組以上が規定時間内にゴールすることができずペナルティを受けるなど、6日間の中でもタフなSSとなった。

 

 

またレグ5はカンチャナブリ周辺で、今大会で最も距離の長いSSとなる228.87kmを走破。最終の17日のレグ6には、カンチャナブリの新観光名所「スカイウォーク・カンチャナブリ」にほど近い、スカイウォーク・アベニューでゴールを迎えた。

 

2年目の挑戦となった田口勝彦選手は、7番手スタートからナビゲーションの難易度が高いコース設定に手こずりながらも、丁寧な走りで堅実に毎日のSSを走り切り、昨年の総合8位から順位を上げて総合5位入賞を果たした。

 

サクチャイ・ハーントラクーン選手は、30番手スタートからレグ1で一気に5位まで順位を上げるも、ミスコースやマシントラブルに悩まされ、27位となった。

 

また、社員ドライバーとして参戦した小出一登選手は、最初こそAXCRの難コースに苦戦するも、持ち前の適応能力の高さを発揮して安定したドライブを続け、スタックやマシントラブルで走行不能となったチームメイトもサポートしつつ、最終的には24位で初めてのAXCRを終えた。

 

前年の総合3位で「チーム三菱ラリーアート」の中でも最も前方でのスタートであったチャヤポン・ヨーター選手は、持ち前の丁寧なドライビングで連日上位に入るタイムを重ね、最も過酷となったレグ4終了時点で2位以下に20分以上の差をつけて総合首位に立った。しかし、レグ5でのマシントラブルにより走行不能となり、リタイヤを喫した。

 

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今年のAXCR2024を振り返ったチーム三菱ラリーアート総監督の増岡浩氏は、「今年のトライトンは、本当にいいクルマに仕上がりました。ライバルとの排気量差を埋める力強い動力性能を見せて、一時は総合首位にも立ちましたが、結果的に優勝できなかったことは残念です。

 

しかし、長年に亘って培ってきた三菱自動車ならではの悪路走破性も十分発揮できたので、そこは評価に値すると思います。

 

 

日本に戻ってからは初参戦した社員ドライバーの小出選手を中心に、今回の参戦で得た貴重なデータ、知見を市販車開発に反映してもらい、過酷なモータースポーツの現場での経験に導かれたクルマづくりの新たな1ページを作っていって欲しいと思います。

 

また来年に向けて、しっかりテストで走り込んで、完全復活したいと思います。協賛各社様からの多大なるご支援、世界各地のファンの皆様からの熱いご声援、本当にありがとうございました」と述べた。

 

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チーム三菱ラリーアート#107ドライバー田口 勝彦選手は、「24年型のトライトン・ラリーカーは、高いレベルでパッケージがまとまっていて、とにかく乗りやすかったです。

 

私自身としては、昨年より順位が上がった点は良かったと思いますが、もっと上を狙える手応えがあっただけに悔しいです。今年の参戦経験をフィードバックし、来年は『トライトン』の走行性能もさらに高められると思うので、トップにずっと食らいついていけるようにしたいと思います」と語った。

 

 

またチーム三菱ラリーアート#137ドライバー小出 一登選手は、「私がドライブしたトライトン・ラリーカーは量産車をベースとした23年型で、4LLcという岩場のためのドライブモードがあります。

 

今回、そのモードを使用してチームメイトのクルマを牽引しながら、40度近い傾斜を難なく登れた時にはトライトン量産車の悪路走破性能の高さをあらためて感じました。“ドライバー”としてラリーを通じて得たものをしっかりフィードバックし、悪路に強く、頼もしい三菱車の開発に繋げていきたいです」と話している。

 

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AXCR2024 四輪部門 総合成績
– 1位: マーナ・ポーンシリチョード(トヨタ・ハイラックスレボ) 14時間22分00秒
– 2位: スワット・リムジラピンヤ(いすゞ・D-MAX) 14時間25分47秒
– 3位: トンチャイ・クリンケート(いすゞ・D-MAX) 14時間36分24秒
– 4位: 塙 郁夫(トヨタ・フォーチュナー) 14時間56分48秒
– 5位: 田口 勝彦(三菱・トライトン) 15時間34分52秒
– 6位: オーラーン・ソーンシリラット(いすゞ・D-MAX) 15時間35分34秒

– 24位: 小出 一登(三菱・トライトン) 23時間08分37秒
– 27位: サクチャイ・ハーントラクーン(三菱・トライトン) 24時間51分52秒
– 42位: チャヤポン・ヨーター(三菱・トライトン) リタイヤ

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。