ヤマハ発動機が参画・支援する産学官連携の海底探査チーム「チームクロシオ(Team KUROSHIO)」は、海中ロボット等を用いて、超広域高速海底マッピングの実現を目標とする海底探査技術の国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」において、準優勝(32チーム中)の結果を収めた。
チームクロシオは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、東京大学生産技術研究所、九州工業大学、海上・港湾・航空技術研究所、三井造船、日本海洋事業、KDDI総合研究所、ヤマハ発動機に所属する若手研究者、海洋技術の専門家らが結集したオール・ジャパンチーム。海洋国家の威信を賭けてShell Ocean Discovery XPRIZEにエントリーしている。
[Shell Ocean Discoveryの概要]
<目標>
500km2の海底マッピング(解像度:水平5 m、垂直50cm以上)の実現
<主なルール>
・支援母船を用いない等、海域に人が立ち入らない(海域へのロボットの展開・回収含む)。
・機材の持込みは40feetコンテナ1つまで。
・調査後48時間以内での海底地形図の作成及び提出。
<賞金総額>
700万米ドル(約8億円)
<コンペティション内容>
Shell Ocean Discovery XPRIZEでは下記の2ラウンドで海底マッピング技術を競う。
1:Round1 技術評価試験(2018年1月実施)
・高速かつ広域での海底探査に必要な11項目の技術に関する評価試験。
2:Round2 実海域競技(2018年10-11月開催)
・水深4,000mで24時間以内に最低250km2以上の海底マップ構築。
・海底ターゲットの写真撮影(10枚)。
準優勝したチームクロシオについて、Shell Ocean Discovery XPRIZE財団・事務局長のJyotika Virmani博士は、以下のように話している。
「このコンペティションを契機としてチームクロシオが開発した技術は、深海探査における可能性、将来の姿を私たちに垣間見せてくれたと思っています。仕様が異なる複数のロボットを連携運用する技術の独自性、条件や状況の変化に対応する柔軟性やカバー領域の広さは素晴らしいものでした。
チームクロシオと3年間を共にしたコンペティション運営スタッフの誰もが、チームの技術レベルの高さに限らず、チームがもつ「文化」からも多くを知り、学んだことを嬉しく思っています。また、コンペティションの成功に貢献してくれたことにもとても感謝しています。」
また、ヤマハ発動機の進藤祐太(チームクロシオメンバー)氏は、以下のように話している。
「オートバイの開発の経験しかなく当初は不安もありましたが、チームの仲間たちに支えられて、共に今回の結果に得られたことは大変嬉しいです。
またAUVの開発に携わることができたことも大変貴重な経験となりました。ヤマハ発動機での所属は二輪車開発部門からマリン事業部門に変わったため、今後は海のポテンシャルを活かした事業へ貢献していきたいです。」
■Shell Ocean Discovery XPRIZE:https://oceandiscovery.xprize.org/
■Team KUROSHIO:https://team-kuroshio.jp/