帝国データバンクは2020年冬季賞与の動向について調査を実施し、1月6日、その結果を発表した。
2020年は緊急事態宣言が発出されるなど新型コロナウイルスによる影響が企業活動を直撃し、国内景気は大きく傾いた。2020年9月時点で、2020年度の業績を減収減益と見込んでいる企業は56.0%となり(帝国データバンク「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年9月)」)、賃金や個人消費の下押しが懸念されている。
※ 調査期間は2020年12月16日~2021年1月5日、調査対象は全国2万3,688社で、有効回答企業数は1万1,479社(回答率48.5%)。
※ 本調査の詳細なデータは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載されている。
■調査結果
2020年冬季賞与(ボーナス、一時金なども含む)の従業員1人当たりの平均支給額について、新型コロナウイルスの影響で2019年冬季賞与と比較して変化があったか尋ねたところ、「賞与はあり、増加する(した)」が15.0%、「賞与はあり、変わらない」が36.4%となった。一方で、「賞与はあるが、減少する(した)」企業は32.5%となった。
業界別では、賞与が「増加」とする企業においては『小売』が21.6%で最も高い。一方、「減少」においては『製造』が44.2%で突出して高く、『卸売』(34.3%)、『運輸・倉庫』(33.3%)も3割台で高い。
業種別でみると、「増加」では「家具類小売」が37.5%でトップとなり、スーパーマーケットを含む「各種商品小売」(29.2%)、「専門商品小売」(25.3%)も高い。「減少」では「パルプ・紙・紙加工品製造」(59.3%)や「鉄鋼・非鉄・鉱業」(52.4%)などの製造業が上位となっている。
従業員数別でみると、「増加」では「6~20人」「21~50人」「51~100人」の企業が目立つ。それに対して、「5人以下」では全体を大きく下回るものの、21人以上の企業は賞与が「減少」とする傾向がみられた。また、人手不足を感じている企業ほど、賞与を増加させる様子がうかがえた。