12月18日、PlayStation®4(PS4®)用ソフトウェア『グランツーリスモSPORT』*2によるワンメイクレース「GR Supra GT Cup」決勝が行われ、世界各地の代表24名がオンラインサーキットに集結した。その結果、宮薗拓真選手(日本)が優勝し、2020年世界最速のGR Supra GTドライバーに輝いた。2位はルーカス・ボネリ選手(ブラジル)、3位にはホセ・セラーノ選手(スペイン)が入賞した。
2020年は世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、実施できるモータースポーツとしてグローバルに注目されたe-Motorsports。2年目を迎えた「GR Supra GT Cup」に加え、ル・マン24時間レースの実施が延期されたことで実施された「バーチャル・ルマン24時間レース」や、「GR Yaris」タイムトライアルなど、リアルなモータースポーツのドライバーもファンとのコミュニケーションの機会としてオンラインレースへ参加するようになっている。
「GR Supra GT Cup」のオンライン予選の総参加者数は、昨年同様の約2.7万人。しかし昨年の13Rd.から7Rd.とラウンド数が半減しており、実質的に参加者数は倍増していることになる。また、東南アジアや中東などの地域からの熱い要望で新設されたTGR枠では現地でリージョンファイナルを実施・選出された代表が決勝に進出し、全体としての参加者増につながった。
決勝は「FIA グランツーリスモチャンピオンシップ・ワールドファイナル」の一環として開催され、グローバルなオンラインレースとなった。ロンドン・東京のスタジオと世界中の選手をつなぎ、ネットワークトラブルなどもあったものの、選手たちのつくる筋書きのないレースは観る人を熱くした。
当日のレース展開について、決勝進出を決める準決勝のコースは富士スピードウェイ。イコールコンディションのワンメイクレース。予選タイムアタックのグリッド順がすべての厳しいレースとなった。準決勝A組は欧州・中東・アフリカ代表と今回新設されたTGR枠(東南アジア代表、中東代表)、準決勝B組は北米、中南米、アジア代表のそれぞれ12名から上位6名がスパ・フランコルシャンを舞台にした決勝レースに進んだ。A組トップはホセ・セラーノ選手(スペイン)、B組トップは山中智瑛選手(日本)。
準決勝の上位者12名で争われる決勝戦はグリッドを決める予選タイムアタックが行われ、予選上位3台(セラーノ、宮園、ボネリ)はソフトタイヤ、4位のラトコフスキ選手から中盤の選手はミディアムタイヤで決勝レースがスタート。4位以下の選手がタイヤ交換を5周目、6週目でする中、ソフトタイヤスタートの上位3台は7周を走り切り3台同時にピットイン。ここで3台の戦略が分かれた。セラーノ選手はミディアムタイヤに交換し燃料は残り53リットル、ボネリ選手もミディアムに交換し残り57リットル、宮園選手は一人ハードタイヤに交換し59リットルを残していた。
宮園選手はハードタイヤ2周目となる9周目を走り切るといち早くピットインし、ミディアムタイヤに交換。この時点でも45リットルを残す宮園選手は無給油でピットアウト。6位でコースに戻るとトップを目指して単独走行を開始。タイムを乱されることなく、順調に周回を重ねていった。13周目に入るタイミングでピットの関係で1つ順位を上げて4位。14周目に入る時に、2位のボネリ選手と3位のガロ選手がピットインし、宮園選手は2位にポジションアップ。ファイナルラップ15周目に入るところでトップのセラーノ選手が最後のピットイン。燃料が残り4リットルしかなく、追加で4リットル給油が必要となり、コースには3番手での復帰。この時点でトップとなった宮園選手が、最終周は2位のボネリ選手に4秒以上の差を広げてトップチェッカーを受けた。
なお、11月13日にグランツーリスモSPORTに収録されたGR Yarisは、ゲーム内で1か月で31万台が購入され、「GR Yarisタイムタイムトライアル」では、約5.6万人の選手がGR Yarisの走りの楽しさを体験した。トップ10には、WRCチャレンジプログラムでFIA世界ラリー選手権(WRC)に参戦している勝田貴元選手もランキング入りしている。
◾️宮薗拓真選手(日本)コメント
昨年度は3位という結果で、表彰台に登れたことはもちろん嬉しかったですが、優勝できなかったことや、レースの内容に満足がいくものではなく、自分にとって納得できる結果ではありませんでした。今年こそはという気持ちで挑み、無事に優勝することができ心から満足しています。準決勝では上手くいかずに集中が切れかけましたが、決勝の前に気持ちを上手く切り替えられたこと、またピット戦略が機能したことなど、色々な要素があっての勝利だったと思います。
特に、ピット戦略については、他の選手と戦略をわけることを念頭において組み立てました。結果として、1人だけその戦略を実行できたということが、勝利に大きく繋がったと思います。優勝こそできましたが、これからも今の自分に満足せず、よりGRスープラを意のままに操れるようなドライバーになれるように頑張ります!応援よろしくお願いします!
◾️GR Supra GT Cup決勝結果
Rank Starting Grid Grand Final Time
1st J. Serrano T. Miyazono(日本) 40:43.261
2nd T. Miyazono L. Bonelli(ブラジル) 40:47.015
3rd L. Bonelli J. Serrano(スペイン) 40:47.878
4th C. N. Latkovski C. Lopez(スペイン) 40:51.634
5th G. Mangano V. Gallo(イタリア) 40:51.795
6th A. Inostroza C. N. Latkovski(オーストラリア) 40:52.121
7th V. Gallo T. Yamanaka(日本) 40:52.406
8th C. Lopez A. Tapai(ハンガリー) 40:52.812
9th A. Tapai A. Inostroza(チリ) 40:52.977
10th T. Yamanaka M. Okada(日本) 41:04.571
11th R. Kevelham R. Kevelham(オランダ) 41:05.431
12th M. Okada G. Mangano(イタリア) DNF