自動運転技術のT2と三菱地所は6月30日、日本初の自動運転トラックに対応した物流ネットワーク構築に向け資本業務提携を行うことで合意した。
今後、T2の手掛けるレベル4自動運転トラックによる日本の幹線輸送と、その発着地点となる三菱地所が開発する次世代基幹物流施設を融合させ、シームレスな輸送を実現していく。なおT2は6月30日に三菱地所を引受先とするプレシリーズAラウンドの第三者割当増資12.5億円を実施した。
そもそもT2と三菱地所は、T2の会社設立当初から連携を進めていたため、生活・経済インフラを支えるトラックドライバーの不足などの社会課題への危機感。日本の経済成長と国民生活を持続的に支える強い物流の実現のビジョンを共有していることを双方で確認。資本業務提携に至った。
なお三菱地所は、京都府城陽市で次世代のモビリティを受入可能とする高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」の開発計画を進めており、同施設の敷地内にレベル4自動運転トラック発着拠点となるモビリティプールを設置する予定。
そこで今後、同機能をT2が活用する他、レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できる基幹物流施設の整備や、レベル4自動運転トラックと基幹物流施設を組み合わせた新サービスなどの共同開発を進めていく構えだ。
これらの取り組みについてT2の下村正樹代表取締役CEOは、「三菱地所様との業務提携ならびに出資頂ける事を心から喜ばしく思うと共に、深く感謝申し上げます。今後も心強いご支援を賜りつつ、一層強固な事業基盤を整備していく所存です。
これまで通り荷物が運べなくなる状況が予見される中、弊社は日本の物流の未来を支えるというミッションを掲げ、レベル4自動運転技術を活用した自動運転トラックによる幹線輸送サービス事業を実現すべく邁進してまいります。
日本の幹線輸送の大動脈である関東・関西間を基軸としたレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスを初期のターゲットとし、将来的にはエリアを順次拡大する予定です」と話している。
一方で三菱地所 コマーシャル不動産事業グループの小張貴史執行役員は、「レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス構築を先鋭的に取り組まれ、既に高速道路での実証実験に成功されているT2様との協業をさらに深め、また、出資の機会を頂いたことを大変喜ばしく思います。
T2様は日本の物流業界が抱える貨物輸送需要の増加や深刻なトラックドライバー不足等の喫緊の社会課題を輸送分野において解決できるプレーヤーであり、この度の提携により、荷主企業様、運送会社様、テナント様の便益を画期的に向上させることができると考えています。
当社は、次世代のモビリティを受入可能とする物流施設の必要性に長年着目し、昨年2月に公式発表した関西圏の受入拠点である京都府城陽市だけでなく、関東・中京圏においても同様の検討を進めておりますが、T2様との提携によってその必要性が徐々に具現化したことに更なる期待の念を抱いております。
また当社の基幹物流構想は国が目指すフィジカルインターネット社会の実現の一環であり、今後は三大都市圏だけでなく全国展開も視野に入れ、さらには次世代基幹物流施設を核としたアセット開発やその他不動産事業の展開も検討しています。
本提携により新たなレベル4自動運転トラックによる幹線輸送物流網が構築できる基盤を整備してまいります」と述べている。
資本業務提携の概要
締結日:2023年6月30日
内容:業務提携ならびに第三者割当増資の実施
目的:(1)レベル4自動運転トラックによる幹線輸送と発着地点である次世代基幹物流施設との融合によるシームレスな輸送の実現。(2)新たな資本受け入れによるT2の技術開発の更なる推進。(3)レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できる環境整備、新たなサービスによる荷主企業様、運送会社様、テナント様の便益向上