西のチェコ共和国から東のルーマニアまでを弧を描くように連なるカルパティア山脈の北麓に開発拠点を構えるeVTOL(電動垂直離着陸機)ベンチャーのSYDRONエアモビリティ(ポーランド・ポトカルパチェ県ジェシュフ)は1月9日(米ネバダ州ラスベガス)、CES2024の会場となったベネチアン・コンベンション&エキスポセンターに於いて、ポーランド国内で初の短距離輸送向けエアロタクシーのコンセプト機「SYDRON eVTOL Model2」を披露した。
この「SYDRON eVTOL Model2」はポーランドとウクライナ軍傘下の航空技術者達によって開発されているもので、現段階は、初期プロトタイプの開発・製造段階にあるという。
ちなみにそんな同機体は、旅客輸送・重量物輸送・緊急対応活動用に設計されたもので、NASAや、米・ロサンゼルス港、スペイン・バルセロナ港などから高く評価されていると謳っている。
機体自体の仕様としては、既に昨年11月にバルセロナに於いて披露されたものの改良版となっており、大型ディスプレイと1本のジョイスティックで構成されたコクピット空間は、直感的な操作系と安全を両立させた設計。
より具体的にはジョイスティックによって全ての動きを制御するスタイルだ。このジョイスティックは、正確なピッチ、ロール、ヨー、スロットル制御を可能にし、離陸・飛行・着陸時にスムーズかつ応答性の高い操舵を可能する。
ディスプレイパネル下部には、自動操舵や各種アシスト機能を有効にするためのボタンやスライダーを配置。これらで高度保持、ホバリングモード、障害物回避などを選択する。
なお今回、披露されたモデル2は、離陸重量1,323ポンド(約600kg)の2人乗りeVTOLでありながら、改良を重ねたことで約5フィート(1.5 メートル)の同軸上に配置された8つのプロペラで毎時56マイル(時速90km)の巡航速度を維持。飛行時間も大きく伸ばされ最大60分であるとしている。