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2022年4月19日【イベント】

スズキとヨシムラ、ル・マン24時間耐久を2年連続優勝で飾る

坂上 賢治

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スズキの「ヨシムラSERT(スズキエンデュランスレーシングチーム) Motul」は、4月16日から17日に掛けてフランスのル・マンで開かれた二輪耐久ロードレースの最高峰「ル・マン24時間耐久レース」で2年連続優勝の栄冠を獲得。EWCの前季チャンピオンチームらしい勝利でシーズンをスタートさせた。

 

 

レースは安定した天候の中、スズキ&ヨシムラのグレッグ・ブラック、シルバン・ギントーリ、ザビエル・シメオン各選手は23回のピットストップを経て、24時間で周回数840ラップを走行。ゴールラインでは接戦を繰り広げた#7 YART – Yamaha Official Team EWCに1分45秒582差をつけての優勝となった。有観客レースとしては3年振りの開催となり、多くの観客が見守る中でファンを沸かせるレースとなった。

 

同レースは、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)主催の「2022FIM世界耐久選手権(EWC)」の第1戦にあたる。EWCは、市販車をベースに耐久レース仕様に改造された二輪車で競われるレースであり、スズキは2021シーズンよりヨシムラジャパンにチーム運営を委託。GSX-R1000Rで共同参戦している。

 

 

当日は15時に伝統のル・マン式スタートでレース開始。スタートライダーとして定評のあるブラック選手は2番グリッドからライバルに先行する。

 

その後レース序盤は3番手以内を走行し、安定した速さでレースの3分の1にあたる8時間を過ぎた頃にトップへと浮上すると、素早いピットストップと入念なレースプランを確実に遂行しポジションを維持し続けた。

 

夜間走行となって以降も強力なライバルの猛追に対して常に一定のアドバンテージを確保。日本とフランスの合同チームであるヨシムラSERT Motulは、ディフェンディングチャンピオンらしい安定感でレースを引っ張り続けた。

 

 

夜が明けるタイミングではブラック選手が1分36秒195というラップレコードを記録。24時間のうちに8回ものセーフティーカー導入があるなど波乱もあったレース展開であったのだが、終始レースをコントロールし続け、9時間経過時点でトップに立ってからは一度もトップを譲ること無く840周でゴール。2年連続での開幕戦制覇を果たした。

 

この結果、優勝による40ポイントに加え、予選2番手の獲得とレース8時間・16時間経過時の順位で得られるボーナスポイントを獲得。ヨシムラ SERT Motulは合計63ポイントを稼いで次戦スパ・フランコルシャン24時間レース(ベルギー・6月4日~6月5日)に臨むことになる。

 

 

ヨシムラ SERT Motul ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
「なんという週末! なんというレース! 自分たちだけではなく全てのチームのレベルの高さは感動的ですらありました。ヨシムラ SERT Motulはライダー3人のパフォーマンスの高さに加え、ここにいる陽平(加藤チームディレクター)と日本にいるヨシムラスタッフ、そしてル・マンを拠点とするSERTテクニカルチームとの総合力によりこの勝利を得ることができました。この格別に素晴らしいレースに関わった全てのメンバーに最高の結果をもたらしました!」

 

ヨシムラ SERT Motul 加藤 陽平 チームディレクター
「ヨシムラ SERT Motulは、スズキファクトリーチームとして2年目のシーズン開幕戦をこの様な勝利でスタートすることができました。そしてチーム全体のパフォーマンスを高い次元で維持することができ、大変満足しています。昨年の勝利と同じグレッグ、ザビエル、シルバンという素晴らしいトリオのライダーラインアップとチームスタッフが全力で戦い、再びル・マン24時間を制することができました。ここに至るまで日本でも昨年一年間を費やし、今シーズンに備えてきた甲斐がありました。この後に続くシリーズもヨシムラとスズキ、そしてフランスのSERTとの連携をより強化しながら戦っていきたいと思います。」

 

ヨシムラ SERT Motul グレッグ・ブラック 選手
「昨年同様にスタートライダーを期待されていましたが、3月末のテストで転倒し、踵(かかと)を骨折してしまい一抹の不安がありました。レースウイークまでには何とか回復し、今年もホールショットを奪うことができ、良いスタートが切れました。その後はゴールまでハイペースで、とても信じられないようなハードなレース展開となりました。ライバル勢は非常に強く、我々は全てのスティントを全力でプッシュし続ける必要がありましたが、チームメイトの2人も最高の走りをし、チームメカニックの完璧なサポートによりトップチェッカーを受けられました。今日の結果はチームのすばらしい働きによるものだと実感しています。」

 

ヨシムラ SERT Motul ザビエル・シメオン 選手
「チームのレース戦略が非常に優れていて、最小限のピットストップで最大限の走りをすることができました。コース上でのスズキGSX-R1000Rは驚異的なポテンシャルを見せ、各ライダー共に良いラップタイムを刻むことができただけでなく、グレッグはレースレコードまで記録しました。しかしライバル勢も最後の最後まで強く、チェッカーが振られるまで気が抜けないハードなレースでしたね。」

 

ヨシムラ SERT Motul シルバン・ギントーリ 選手
「今年のル・マン24時間は、とても難しいレースとなり、同じ勝利でも去年とは別格の内容になりました。ライバルのステップアップに対し、我々も速さ、戦略、チームワークが高いレベルで求められましたが、チーム全員が完璧にそれをこなしました。スズキGSX-R1000Rはライバルよりも燃費が良く、これも勝利の大切な要因でした。この週末はチームが一丸となって戦いました。このトロフィーを誇りに思います。」

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。