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2022年8月31日【企業・経営】

スズキ、マルチワークなロボット台車の共同開発へ

坂上 賢治

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スズキは8月31日、静岡所在の農業ベンチャー企業「エムスクエア・ラボ(静岡県牧之原市、代表取締役社長 加藤百合子、以下M2)」とマルチワーク可能なロボット台車「モバイルムーバー(エムスクエア・ラボが名付けた登録商標)」の共同開発契約を締結した。( 坂上 賢治 )

 

両社は共同開発にあたって、スズキの有するモビリティ開発のノウハウと、M2の農業や地域に於ける課題解決型事業を創造してきたノウハウを融合して、新たなビジネスモデルの創造に取り組むとしている。

 

同契約に関してスズキは、「農家の皆様を中心に、ご愛用頂いている軽トラックを約60年間に亘ってご提供し続ける中、予てより、農作業への負担を軽減する事や担い手不足。更には高齢化といった農家の皆様の困り事を解決出来ないかを常に考えてきました。

 

そこで2011年より、自社でスズキ農園の運営や農業の現場に入り込んで、現場の課題を追及する活動を行なっています。

 

そうしたなかでM2とは、2016年よりマルチワーク対応可能なロボット台車「モバイルムーバー」の車両開発や走行試験などを共同で実施してきましたが、今回、開発車両を用いた新しいビジネスモデルを創造するために、新たに契約を締結する事となりました。

 

将来的には、農業だけでなく各種運搬業務など、様々な事業の現場の課題解決を図る新規サービスを検討して参ります。またスズキは、お客様の暮らしに寄り添い、地域社会をより豊かにしていきたいという想いのもと、お客様の困りごと解決に向けたサポート活動に取り組んで参ります」と話している。

 

なお今回、開発を手掛けるマルチワーク可能なロボット台車「モバイルムーバー」は、先にスズキが述べたように、ひとまず主要対象に据えている農産業のみならず、スズキが接点を持つ全国津々浦々の輸送事業者や、スズキ販売拠点が繋がりを地場の地域店舗や有力事業者や製造工場など、その拡がりは果てしなく続く。そういう意味では、捉え方次第でスズキの新事業の幕開けになる可能性もありそうだ。

 

実際、今後の未来に向けたモビリティの姿は、何も軽貨物や乗用車だけにに限らない。むしろ新時代を見据え、既存の自動車だけに対象枠に絞ってしまうと、次世代モビリティの可能性は萎み、むしろ新たな事業化のチャンスを失いかねない。そこに着目したのはスズキならではであり、こうした小型モビリティ分野で躍進中のベンチャー企業は、図らずも最強のライバルを迎えたのかも知れない。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。