スズキは、宇宙スタートアップ企業のispace社(東京都港区)と、世界初の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーとして参画することで合意した。
ispace社は、「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ」をビジョンとして掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。2018年2月までにシリーズA国内過去最高額となる103.5億円の資金調達を実施し、日本初民間開発の月着陸船による「月面着陸」と「月面探査」の2つのミッションを行うプログラム「HAKUTO-R」を発表している。
「HAKUTO-R」では、独自のランダーとローバーを開発、アメリカSpaceX社のFalcon 9ロケットによる、2021年と2023年に打ち上げを予定。現在、日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動している。
スズキは、自動車開発における構造解析技術を用いて、「HAKUTO-R」のランダー(月着陸船)で使用されるボディ、着陸脚などの構造部品における構造解析で技術協力する。
なお、スズキはispace社への出資も行っており、また、民間開発のロボット探査機を月面で走行させ、画像データを月から地球に送信することを競う国際月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦したチームHAKUTOのコーポレートパートナーでもある。
「HAKUTO-R」への参画に際して、スズキ代表取締役社長の鈴木俊宏氏は、以下のように話している。
「今回、再びispaceの月面探査の夢を支援出来る事を大変喜ばしく思います。小さなクルマづくりを通じて社会に貢献してきたスズキは、2016年に小さなローバーで夢にチャレンジするHAKUTOに共感し、支援することを決めました。今回、更なる技術協業を通じて、HAKUTO-Rの月面探査ミッションに再び貢献していきたいと思います」。
また、ispace社ファウンダー&CEOの袴田武史氏は、以下のように話している。
「宇宙機の軽量化は非常に重要であるため、改めてスズキにコーポレートパートナーに加わっていただき大変心強く思います。スズキが小さなクルマ作りで培ってきた技術とノウハウが、HAKUTO-Rを通じて宇宙開発に貢献できる機会をしっかり提供していきます」。
■株式会社ispace:https://ispace-inc.com/jpn