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2018年2月16日【経済・社会】

スズキ財団、平成29年度・研究助成36件を決定。その他助成を含め総額1億57万円

NEXT MOBILITY編集部

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スズキ財団は2月16日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、平成29年(2017年)度の科学技術研究助成および課題提案型研究助成として36件、7,052万円の助成を決定した。その他の助成とあわせ、本年度の助成総額は1億57万円となる。

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 <平成29年度 助成の内容、件数、助成額>
(1)科学技術研究助成、34件、4,201万円
(2)課題提案型研究助成、2件、2,851万円
(1)+(2)小計、36件、7,052万円
(3)その他の助成及び活動、-、3,005万円

 助成総額:1億57万円

 

(1)科学技術研究助成について

 

本年度の科学技術研究助成は、生産関連技術、環境・資源エネルギー関連技術、計測・制御・解析関連技術、材料関連技術、電気・電子・情報関連技術、人間工学・医療関連技術、ロボット関連技術の7つの研究分野を対象に公募され、計34件の研究テーマへの助成を決定した。

 

いずれも独創的、先進的な研究開発テーマで、総額4,201万円を助成する。

 

(2)課題提案型研究助成について

 

同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、2003年度より、時代の要請であり、かつ、可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施している。研究期間は2年間、過去15年で25件の研究助成を行った。

 

平成29年度は、自動運転車において、安全な走行状態を維持するため、想定される課題を提起して、その解決方法に向けた方策を提案する。

 

具体的には、①ドライバーとシステムがともに運転操作を行う権限共有モードについて研究する「自動運転車と人間の相互理解に基づく協調型自動運転技術」、②自動運転中の運転者や同乗者の気分や不快感を計測して運転特性に反映させる「運転者や同乗者の心理及び生理状態をモニタリングできるセンシング技術の開発」が採択された。

 

本年は、新規決定の2件と昨年度までの4件の継続分をあわせ、総額2,851万円を助成する。

 

(3)その他の助成及び活動について

 

また、同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催費や海外の学会等への渡航・宿泊費に対する助成、インド グジャラート州の国際自動車センター機構(i-ACE)への支援、ブダペスト工科・経済大学等海外からの研究留学者の受け入れ等に対して総額3,005万円の助成を行う。

 

また財団ニュースの発行等広く活動を行っている。

 

同財団はスズキが創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したもので、2011年4月1日、新しい公益法人制度に則り公益財団法人となった。研究助成は本年で38回目となる。

 

設立以来の助成件数及び金額は、総件数1,581件、累計助成総額18億1,717万円の実績となっている。また財団の2017年3月末現在の資産総額は約103億3,079万円となっている。

 

 

[スズキ財団の概要]

 

財団名:公益財団法人 スズキ財団
理事長:鈴木 修(スズキ株式会社 代表取締役会長)
所在地:東京都港区東新橋2丁目2番8号 スズキビル東新橋2階
TEL:03-3431-2255
FAX:03-3431-3558
目的:国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与することを目的とする。
資産総額:約103億3,079万円(平成29年3月末現在)

 

[平成29年度 科学技術研究助成内定者一覧]

 

■科学技術研究助成

 

<No.、研究課題、機関名、役職、氏名(50音順)、専門分野>

1、希土類元素含有高強度アルミニウム合金の開発、豊橋技術科学大学、助教、青葉 知弥、金属工学 結晶学

 

2、エンジンの燃焼室壁面から蒸発する潤滑油消費に関する研究、東京都市大学、准教授、伊東 明美、内燃機関 トライボロジー 設計工学 熱工学

 

3、協調動作に着目したドライバの異常状態の検知 ―運転行動にリズムはあるか?―、徳島大学、講師、伊藤 桃代、知的信号処理 アクティブセイフティ ヒューマンファクタ

 

4、ソルボサーマル法による高機能環境浄化触媒材料の創製、群馬大学、准教授、岩本 伸司、触媒化学・無機材料科学

 

5、レーザを用いた金属材料の3Dプリンタ技術の現象理解と最適化のための多相流解析、東京工科大学、講師、大久保 友雅、レーザー工学 数値計算

 

6、マルチマテリアル化のための実用高強度アルミニウム合金と鋼の異材接合技術の開発、大阪大学、准教授、小椋 智、異材接合 溶接冶金 金属組織制御

 

7、凝固過程制御によるステンレス鋼の溶接割れ発生防止と特性制御、大阪大学、准教授、門井 浩太、溶接・接合 金属材料 凝固工学 溶接冶金学

 

8、磁性流体シールド型スラスト軸受けを搭載した電磁駆動マイクロポンプの開発、日本工業大学、准教授、加藤 史仁、MEMS (Micro Electro Mechanical Systems) センサ工学 半導体微細加工学

 

9、弾性的拘束を利用した準安定斜方晶相ZrO2-HfO2 新奇強誘電体薄膜の創製、東北大学、准教授、木口 賢紀、無機材料工学 結晶工学 金属材料工学 構造解析

 

10、次世代車載用パワー半導体基板の高能率加工方法、熊本大学、准教授、久保田 章亀、生産工学・加工学:精密加工

 

11、学習ロボットにおける知識の再利用度合いオートチューニング手法の開発、東京工芸大学、助教、河野 仁、知能情報学 知能ロボット

 

12、機械学習を用いた燃焼不安定の早期検知技術の開発、東京理科大学、准教授、後藤田 浩、燃焼工学 非線形動力学

 

13、結合発振器の同期現象を活用した車両群の自己修復フォーメンション制御、大阪府立大学、教授、小西 啓治、システム制御工学 複雑系科学

 

14、極微小サンプル試験片による高温部材のクリープ強度および余寿命評価法、千葉大学、教授、小林 謙一、高温強度学

 

15、レーザー超音波を用いた定量的visualized 非破壊検査システムの開発、群馬大学、准教授、斎藤 隆泰、弾性波動論 非破壊評価 計算力学

 

16、自動車エンジン用ばね鋼の超高サイクルねじり疲労強度に及ぼす平均ねじり応力の影響の評価、静岡大学、教授、島村 佳伸、材料力学 材料強度学 複合材料工学

 

17、“材料組織構造”と“微細表面構造”に着目した次世代CBN工具の開発、大阪大学、講師、杉原 達哉、生産工学・加工学

 

18、FMEA,FTA,HAZOPを連携させた組込み制御ソフトウェアの安全性解析手法、山梨大学、教授、高橋 正和、情報工学(ソフトウェア工学)

 

19、相変化マイクロカプセル懸濁液を利用した振動型熱輸送管の開発研究、千葉大学、教授、田中 学、機械工学 熱流体工学

 

20、ハイブリッド融着接合法による熱可塑性CFRPと金属の融着接合挙動の評価、和歌山工業高等専門学校、助教、田邉 大貴、機械材料・材料加工 複合材料製造学

 

21、高耐久酸化物担体の高速低温合成とこれを用いた全酸化物燃料電池触媒の高性能化、弘前大学、准教授、千坂 光陽、熱工学・電気化学

 

22、乱流予混合火炎の光学計測における革新的な精度向上を目指すDNS数値計測、岡山大学、助教、坪井 和也、燃焼工学

 

23、能動的流れ制御技術を用いた3次元ブラフボディに作用する空気力の安定化、広島大学、助教、中島 卓司、流体工学

 

24、Li金属二次電池用Liデンドライト析出検知セパレータの析出検知過程の可視化、早稲田大学、准教授、奈良 洋希、電気化学

 

25、1指駆動形インテリジェント装飾電動手指義手の研究開発 ~ステアリング操作によりドライバビリティを実感できる新たな義手を目指して~、静岡理工科大学、准教授、野﨑 孝志、機械要素 潤滑 自動車工学 医工連携分野 制御システム

 

26、乱流熱流動場における革新的トポロジー最適化手法の開発と実証、東京大学、准教授、長谷川 洋介、熱流体工学

 

27、アモルファス合金ナノ粒子の創製と自動車触媒・電子実装への応用、東北大学、准教授、林 大和、ナノ材料、触媒、実装

 

28、ラマン分光法を用いたプラスチック材料の非破壊劣化診断技術の開発、金沢大学、助教、比江嶋 祐介、分光計測 高分子物理

 

29、多次元情報からの知識獲得による自動車乗員拘束システム設計の高度化、山梨大学、助教、堀井 宏祐、設計工学 ソフトコンピューティング

 

30、永久ヒューズ用導電フィラー分散ポリマーに関する研究、大阪市立大学、教授、堀邊 英夫、高分子物性

 

31、燃費向上を指向したファインバブル含有燃料の定量的評価、静岡大学、教授、間瀬 暢之、有機化学 プロセス化学 グリーンケミストリー

 

32、異方性CFRP積層板の落錘衝撃アシストによるパンチプレス加工法の開発、香川大学、講師、松田 伸也、材料力学 材料強度学 破壊力学

 

33、高齢者の自律神経機能モニターによる交通事故と心血管イベント発症予防、東北大学、教授、山家 智之、生理学 心臓血管 自律神経 人工心臓

 

34、予混合圧縮着火機関におけるシリンダ内イオン電流分布の計測、北九州市立大学、教授、吉山 定見、内燃機関 燃焼工学 熱工学

 

■課題提案型研究助成

 

<No.、研究課題、機関名、役職、氏名(50音順)、専門分野>

1 、自動運転車と人間の相互理解に基づく協調型自動運転技術 、立命館大学 、教授 、和田 隆広 、知能ロボティクス ヒューマンインタフェース ヒューマンマシンシステム

 

2 運転者や同乗者の心理および生理状態をモニタリングできるセンシング技術の開発 、筑波大学 、教授 、星野 聖 、生体医工学 生体材料学 生命・健康・医療情報学

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。