TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は8月22日、SUPER GT第3戦「FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE」のGT300クラスの結果を発表した。
当初の5月末予定から8月へと延期されていた第3戦は、8月21日(土)、22日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催され、全8戦で予定されている今シーズンの4戦目で、前半戦を締めくくる大会となった。
なお、今大会もKeePer TOM’S GR Supra 37号車のシーズンエントリードライバーとして登録されているサッシャ・フェネストラズが入国できなかったため、代役として阪口晴南がドライブ。この阪口晴南が乗るはずだったGT300クラスのK-tunes RC F GT3 96号車は、開幕3戦でドライブしていたTGR-DCドライバーの平良響が体調不良に見舞われたため、同じくTGR-DCドライバーの小高一斗がドライブした。また、埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車はレギュラードライバーの川合孝汰が欠場となり、番場琢が代役で出場した。
21日(土)の予選は、降雨の予報もあり、直前に行われたFIA-F4のレース中には軽く路面を濡らす場面も見られたが、その後雨は止み、コースの一部に濡れた部分を残すものの、ほぼドライ、気温27度、路面温度31度とこの時期としては涼しいコンディションで、ノックアウト方式の予選が開始された。
GT300クラスはQ1を2組に分けて実施。A組では織戸学がドライブするTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車が5番手と好タイム。ジュリアーノ・アレジがドライブするarto RC F GT3 35号車も1分58秒台に入れ、6番手で自身初のQ2進出を決めた。66kgと重いサクセスウェイトを積む52号車は10番手、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車は12番手とタイムを伸ばせず、Q1敗退となった。
Q1のB組では、午前中の公式練習走行で6番手と速さを見せていた96号車が、コースインしてすぐにブレーキのトラブルに見舞われ、アタックできず。一方、244号車の堤が1分57秒台という素晴らしいタイムを叩き出し、トップでQ2へ。69kgのサクセスウェイトを積むSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車は10番手でQ2進出を逃した。
Q2では、244号車の三宅がやはり57秒台に入れたが、ライバルがこれを上回り、それでも3番手と好グリッドを獲得。30号車が9番手、35号車が13番手から決勝レースに臨むこととなった。
22日(日)の決勝でも雨の予報があったが、スタートを前にした午後2時過ぎには晴れ間も見え、気温31度、路面温度43度という暑さのドライコンディションでのスタートを迎えた。直前のウォームアップ走行でアクシデントが発生した影響で、予定よりも10分遅れの午後2時40分、2周のフォーメーションラップの後に、決勝レースのスタートが切られた。
GT300クラスでは、3番手から三宅がドライブする244号車が好スタートを決めて2位へと浮上。セーフティカー導入後、トップ3台によるバトルとなり、これを制した244号車が首位に立った。
首位を行く244号車は24周を終えたところでピットインし、堤へとドライバーチェンジ。GT300クラスは様々な戦略が採られ、9番手からスタートを切った織戸の30号車が最後までピットインを引っ張り、31周目にピットイン。34周目にクラス最後の車両がピットへ向かうと、タイヤ無交換作戦でピット時間を短くしたライバルの先行を許した244号車は2位で追う形に。
交換したタイヤの優位性で攻める244号車と、首位の車両の激しいバトルが数周にわたって繰り広げられたが、38周目、デグナーコーナーで244号車が首位を奪取し、その座を守りきってチェッカー。2020年よりLEXUS RC F GT3でSUPER GTに参戦を開始し、今季よりGR SUPRAに乗り換えたチームにとって、悲願の初勝利をもたらした。
30号車も、後半を担当した永井宏明が5位争いを繰り広げるなど好走を見せ、逆転こそならなかったものの、6位でポイント獲得を果たした。