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2020年10月30日【経済・社会】

国交省10月30日、赤羽大臣会見要旨

NEXT MOBILITY編集部

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国土交通省・ロゴ

 

 

国土交通省では、2020年10月30日(金)、9:20より9:32まで、国土交通省会見室において、赤羽一嘉大臣の会見を実施した。

 

 

会見の内容は以下の通り。

 


 

 

【閣議・閣僚懇】

 

 

本日は、閣議案件については発言はありませんが、そのほか1点、御報告をさせていただきます。
新幹線の新たなバリアフリー、車椅子用フリースペースの導入に向けた基準、省令の改正についてです。
これまで、真の共生社会の実現を目指し、バリアフリー政策を進めてまいりましたが、中でも、新幹線のバリアフリー化はその象徴でもあり、本年8月、東海道・山陽新幹線を走行するN700Sでは6席分の車椅子スペースを確保すること等を定めた「新幹線の新たなバリアフリー対策」についてとりまとめたことは、既に御報告のとおりです。
本日、そのとりまとめた内容を反映したバリアフリー法に基づく移動等円滑化基準、省令を改正し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に先立つ来年7月1日に施行することとしましたので、御報告いたします。
これにより、来年7月1日以降に導入される新たな新幹線車両の全てについて、車椅子用フリースペースの設置が義務付けられることになります。
また、既存車両についても、来年7月1日以降は、この基準に適合するよう努力義務が課せられることになります。
このため、鉄道事業者等においては、改良工事や座席レイアウトなど車椅子用フリースペースの導入に当たっての諸課題の早期解決を図るとともに、計画的に導入が進められるよう、国土交通省としても、しっかり注視してまいりたいと思います。
これまでも幾度か申し上げてきたとおり、バリアフリー政策は、成熟した国家の品格を体現するものであると考えております。
レガシーとして「真の共生社会」の実現を掲げる東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、国土交通省として、世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道を実現するべく、JR各社はじめ関係者と共に、強力に取り組んでまいります。
詳細は、後ほど資料を配付いたします。
私からは以上です。

 


 

 

【質疑応答】

 

 

(問)首里城に関してお伺いします。
首里城の火災から間もなく1年を迎えますが、再建に向けた取組状況を教えてください。

 

 

(答)首里城の火災が発生した昨年10月31日から、明日でちょうど1年を迎えるわけです。
この間、私は2度、首里城を視察させていただきました。
まず、発災直後の最初の訪問では、沖縄の皆さまの精神的支柱であり、我が国の誇りでもあります首里城の焼け落ちた状況を目の当たりにし、私自身も大変なショックを受けるとともに、国の責任として、早期の再建を、沖縄の皆さんの御意向に沿った形で実行することを固く決意をいたしました。
また、本年3月の訪問時には、現場で、地元の多くのボランティアの方々が、焼け残った赤瓦(あかがわら)の利活用に向けて、漆喰(しっくい)を剥がす作業に一生懸命取り組まれている姿を目の当たりにし、改めて、沖縄の皆さまの首里城への非常に強い思いを痛感するとともに、国としても、1日も早い復元に向けて取り組むという決意を新たにさせていただいたところです。
政府としては、火災発生後、直ちに「首里城復元のための関係閣僚会議」を立ち上げ、本年3月には「首里城正殿等の復元に向けた工程表」を決定し、首里城正殿の令和4年の本体工事着工、令和8年までの復元を目指すこととしています。
現在、正殿の基本設計を行うとともに、火災の再発防止に向けた防火対策の強化や木材・赤瓦等の材料調達に関する技術的な検討等を行っておりますが、その進捗は、工程表どおり着実に進められているものと承知しております。
なお、沖縄県より、国内外の皆さまから寄せられました真心からの寄付金を、正殿の木材調達に活用したいとの御意向を示され、国としても沖縄県と検討を重ねた結果、正殿の復元工事に用いる大径材(たいけいざい)のうち、柱材(はしらざい)等について、沖縄県が寄付金を活用して調達し、国に無償譲渡していただくことになったところです。
国土交通省といたしましては、国営公園事業に責任を持つ立場として、首里城の1日も早い復元に向けて、沖縄県や関係省庁とも連携し、全力で取り組んでまいります。

 

 

(問)先日、ANAの構造改革が発表されましたが、御所感と今後の御対応を教えてください。
また、構造改革の中で、需要の回復が見込みやすい羽田発着を優先的に再開するとありましたが、この件に関して御見解をお願いいたします。

 

 

(答)先日発表された全日空の第2四半期の業績によれば、第1四半期から若干の改善が見られたものの、引き続き厳しい状況であると承知しております。
ANAからは、新しいビジネスモデルへの変革として、短期的には、人件費削減や保有機材の圧縮等による固定費の削減を始めとしたコスト削減等に取り組むとともに、コロナ収束後も見据え、第3ブランドの立ち上げ、また、航空事業以外での収益拡大に取り組むことの3つの柱による再建案が発表されました。
また、国際線については、首都圏空港では、各国の出入国規制や検疫体制、需要動向などを見つつ、まずは羽田から順次運航を再開することとしておりますが、成田もアジアと北米を結ぶ重要な結節点として、段階的に運航再開するとしています。
一部、国際線は羽田に限る旨の報道があったかと思いますが、この点につきましては、昨日、ANAホールディングスの片野坂社長御自身から、真実ではない旨の説明を受けたところです。
国土交通省といたしましては、航空各社において、こうした経営改善の取組を進めていることも踏まえ、一昨日の10月28日に航空会社に対する支援施策をパッケージとして発表させていただき、国としても航空ネットワークを適切に維持する観点から、しっかり支援するというメッセージを発信させていただいたところです。
引き続き、航空各社の要望をよく聞かせていただきながら、適時適切に必要な支援に取り組むとともに、関係省庁と連携し、感染拡大防止対策を図りつつ、出入国規制の緩和や「Go Toトラベル事業」を通じた需要の喚起により、できる限り早期に国際線のネットワークも回復されるよう取り組んでまいります。

 

 

(問)Go Toトラベルについていくつかお聞きします。
政府与党から、1月末をめどにしている期間について、延長という議論が出ていますが、所感についてお聞かせください。また、昨日観光庁から、観光目的ではないものなどを対象から外す考えが示されました。これについて大臣のお考えをお聞かせください。
もう1点、Go Toトラベルのクーポンを不正に利用される事例等も見られるようになりました。この対応についてもお聞かせください。

 

 

(答)Go Toトラベル事業の延長につきましては、昨日の本会議で答弁させていただきましたとおり、東京を発着とする旅行が遅れて今月より対象となったこと、また、いまだに本事業を活用できない被災観光地もあること、そして、今お話がありました、与党からも強い延長の御要請があること等を踏まえまして、政府として、今後の感染状況、観光需要の回復状況、予算の執行状況等を見つつ、しっかり検討していくことになります。

私自身、直近1か月の間に、富山県、福島県、北海道、兵庫県を訪問しまして、現地の観光関係事業者の方と様々な意見交換をさせていただきましたが、いずれの地でも「宿泊の予約状況は大変好調である」、「観光施設への入場者も増えた」、「お土産物も売れるようになった」など、本事業に対し高い評価をいただき、今後への期待も表明され、本事業の延長を強く求められているところです。
国土交通省といたしましては、こうした各地からの強い御要望も踏まえ、Go Toトラベル事業の延長につきましては、しっかり検討していきたいと考えております。
また、最後の質問についてですが、地域共通クーポンの電子クーポンに関して、宿泊予約の無断キャンセル等の事例について、御指摘のオンライン予約サイトを通じた現地払いの宿泊予約で、無断キャンセルがあった事例は承知しているところです。
本件について、現在、詳細を確認中ですが、一般論として、仮に不正使用の場合には、警察と緊密に連携して対応することになります。
電子クーポンの不正取得に対する対策については、事務局、旅行会社等と連携しながら既に進めているところです。
具体的な内容については、セキュリティ上の観点からお答えは差し控えたいと思います。
言わずもがなですが、Go Toトラベル事業は、大きな国家予算を投じて、コロナ禍で経営の改善と雇用の維持が極めて厳しい状況におかれている観光関連産業に対する支援であり、また、地域経済の再活性化への大きな支援でもあります。
そして、何よりも不自由な生活を強いられている国民の皆さまに、ウィズ・コロナ時代における新たな安全・安心な観光を満喫していただきたいとの思いが込められた大切な事業でありますので、当然のことながら不正使用は断じて許されるものではないと考えております。
また、同様の観点から、観光を主たる目的としていないことや、感染拡大防止の観点から問題がある事案、旅行商品に含まれる商品やサービスの価値が通常の宿泊料金の水準を超えていること、旅行者自身が旅行期間中に購入又は利用するものではない、終わってから利用するもの、一般的に、社会通念上の観点も含めて問題があるものについては、割引の対象にしないということをGo To キャンペーン事務局のホームページに掲載し、周知徹底しているところです。
繰り返しになりますが、新しい生活様式の中での新たな観光の旅のスタイルの定着・普及を目指すものであり、壮大な社会実験でもあると考えておりますので、そうしたことを関係の皆さまにはよく理解をしていただいて、矜持を正していただいて、一緒に御協力いただきたいという思いでこのような告知をさせていただいたところです。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。