住友ゴム工業は11月28日、サプライチェーン全体のカーボンニュートラル達成に向けて、新たに“Scope3”の2030年削減目標を設定すると共に“Scope1”と“Scope2”に於ける2030年削減目標について、各拠点の積極的な取り組みにより前倒しで進捗しているため目標値を引き上げたことを発表した。
なお、“Scope3”は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出を、“Scope1”は他社から供給された電気の使用に伴う間接排出を、そして“Scope2”はScope1,2以外の間接的な排出(事業に関連する他社による排出)を指す。
同社は、サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」(※1)に即し、サプライチェーン全体におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを加速していくとしている。
1.Scope3排出量の削減
住友ゴムグループの温室効果ガス排出量は“Scope3”が約9割を占めていることから、サプライチェーン全体に於けるカーボンニュートラル達成に向けて、“Scope3”排出量のほぼ全てをカバーする2030年目標を、以下のように設定した。
<プロセス毎の目標>
・材料開発・調達:サステナブル原材料の活用、サプライヤーエンゲージメントの強化で、2030年25%削減(2021年比)を目指す。
・物流:モーダルシフトの推進などで、2030年10%削減(2021年比)を目指す。
・販売・使用/回収・リサイクル:タイヤの転がり抵抗低減やロングライフ化、リトレッドタイヤの生産能力拡大などを進める。
以上、各プロセスで「はずむ未来チャレンジ2050」および循環型ビジネス構想「TOWANOWA」(※2)で掲げる取り組みを推進することで、目標値の達成を目指す。
<各プロセスが相当する温室効果ガス(GHG)プロトコルの“Scope3”カテゴリ>
※1:(住友ゴム)サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」 。
※2:(住友ゴム)循環型ビジネス構想「TOWANOWA」 。
2.Scope1,2排出量の削減
住友ゴムでは、2021年に「2030年50%削減(2017年比)目標」を設定したが、中国やタイのタイヤ工場に於ける電力の再生可能エネルギー化(※3/※4)など、各拠点の積極的な取り組みにより、目標に対して前倒しで削減に取り組むことができていることから、目標値を「2030年55%削減(2017年比)」に引き上げる。また、この取り組みを継続し、2050年カーボンニュートラル達成を目指す。
※3:(住友ゴム)「中国のタイヤ工場にて電力の100%再生可能エネルギー化を実現」(ニュースリリース発行:2022年1月18日)。
※4:(住友ゴム)「タイのタイヤ工場における電力のゼロカーボン化への取り組み」(ニュースリリース発行:2023年2月21日)。
住友ゴムグループは、今後も、サプライチェーン全体のカーボンニュートラル達成およびサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の発展に貢献していくとしている。