住友ゴム工業は10月16日、中国江蘇省蘇州市で新交通システム構築に向け、独自のセンサーレスのセンシング技術『センシングコア』による自動運転バスの実証実験を6月より実施していることを明らかにした。
この実証実験では、走行中の自動運転バスからクラウドに送信された情報をセンシングコアの路面状態検知機能で解析し、運行管理者へ結果をフィードバックすることで、自動運転バスの安全・安心な運行管理をサポートする。
実証内容について同社では、「長江デルタ地域の中でも交通の要として近年急速な経済発展を遂げている蘇州市相城区では、スマートシティに向けた取り組みが本格化し、自動運転タクシー・自動運転バス・無人配送車・無人清掃車などの自動運転車両が600台以上走行しています。
今回の実証実験では、エリア内を走行する自動運転バスから必要な車輪速信号などをクラウドに送信し、センシングコアで解析・検知。検知した路面状態は、運行管理者に「路面滑りやすさマップ」などの形式で通知することで、安全・安心な運行管理に活用されます。
当社では、CASE/MaaSに対応する高い安全性能・環境性能を実現するために、タイヤ開発および周辺サービスの開発コンセプトである〝SMART TYRE CONCEPT〟を掲げています。
その周辺サービスの中核を担うセンシングコアは、来るべき自動運転社会においてモビリティの進化・発展に大きく貢献できる技術です。
それは路面状態などのデータが車両の制御に活用されるだけでなく、クラウド経由で街、社会の情報に統合されるものであり、ビッグデータとして解析される未来に向けて開発技術となります。
これを踏まえ今後は、タイヤ荷重検知やタイヤ摩耗検知へ機能を拡張していくことで、運行管理の効率化やタイヤライフサイクルの向上などの新たな価値の創出に繋げていき、将来の自動運転の社会実装に向け、自動運転車両の安全運行における業界標準としての導入を目指します。
またこの取り組みは、10月16日~20日に蘇州市・Suzhou International Expo Centerで開催される〝第29回ITS世界会議2023蘇州〟の蘇州市相城区ブースで紹介されます」と話している。